質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一一一号

新型コロナウイルス感染症に起因する偏見と差別に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年五月一日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新型コロナウイルス感染症に起因する偏見と差別に関する質問主意書

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(二〇二〇年四月二十二日)において、「(3)偏見と差別について」と題して、「医療機関や高齢者福祉施設等で、大規模な施設内感染事例が発生し、医療・福祉従事者等に対する偏見や差別が広がっている。こうした影響が、医療・福祉従事者本人のみならず、その家族に対しても及び、子どもの通園・通学を拒まれる事例も生じている。また、物流など社会機能の維持に必須とされる職業に従事する人々に対しても、同様の事例がみられる。さらに、こうした風潮の中で、新型コロナウイルス感染症に感染した著名人などが、「謝罪」を行う事例もみられる。」、「こうした偏見や差別は、感染者やその家族の日常生活を困難にするだけでなく、感染者やその家族に過度な不安や恐怖を抱かせること、感染した事実を表面化させることについて、本人が躊躇したり、周囲の者から咎められたりする事態に及び、そのために周囲への感染の報告や検知を遅らせ、それによって更なる感染の拡大につながりかねないこと、医療・福祉従事者などの社会を支える人々のモチベーションを下げ、休職や離職を助長し、医療崩壊や、物流の停止などといった極めて大きな問題につながりかねないことなどの事態を生むおそれがある。」とされている。

一 このような偏見と差別の状況は深刻であり、私も専門家会議と懸念を共有している。政府は、このような偏見と差別に関して、どのような対応策を考えているか。

二 前記一への対応も含め、離職や休職を防止するためにも、医療従事者に対する「心のケア」に留意する必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。

  右質問する。