質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇九号

個人向け防護具の適切な供給の実現に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年五月一日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   個人向け防護具の適切な供給の実現に関する質問主意書

 新型コロナウイルスが感染を広げる中、医療機関における個人向け防護具等の医療用物資については、長らく深刻な不足が指摘され続けている。

一 令和二年四月二十四日の厚生労働省の「医療機関に対する医療用物資の緊急配布等の仕組み」において、厚生労働省は、「WEB調査の活用による国の緊急配布」と題して、「国(厚生労働省及び内閣官房IT戦略室)は、病院及びPCR検査を行う診療所の計約8千施設を対象としてWEB調査を実施し、医療機関の備蓄のひっ迫状況を把握(都道府県にも情報を共有)。」、「具体的には、各医療機関は、①在庫量、②想定消費量、③購入予定量等を週次で記載。」、「医療用物資の在庫が著しく不足し、在庫が1週間を切る緊急の場合には、医療機関からの要請に応じ、国(厚生労働省)から医療用物資を緊急配布(配布内容は、国から医療機関に対し、連絡。結果は都道府県と共有)。」と規定している。
 個人向け防護具など医療用物資については、医療機関ごとのニーズの把握と、重要度及び優先度に対応した戦略的な配布を行うべきであることについては、我々が長らく主張し続けたことであり、今回の厚生労働省の措置は、遅きに失したとはいえ、基本的に正しい方向性であると言える。
 ただ、当該資料において「サージカルマスク、N95マスクについては来週からの開始、アイソレーションガウン、フェイスシールドについては5月下旬目途で開始を予定する。」とも規定されている。
 では、前述の五月下旬までの間に、「新型コロナウイルス患者を受け入れる病院」において、アイソレーションガウン、フェイスシールドについて「在庫が著しく不足し、1週間を切る緊急」の状況が発生した場合、どのような措置を取る方針か。

二 前記一のようなケースでも、当該医療施設の取組に委ねるのではなく、国としてもできる限りの手配をするべきではないか。具体的には、レインコートや薬剤散布用のビニール服や、工場等の製造の現場で使用するためのフェイスガード等、医療用以外の別用途の(かつウイルスの拡散を抑止する機能を有する)防護具の収集や活用なども、国が積極的に推進すべきではないか。

三 最近、介護施設等での大規模な施設内感染が続発している。マスクや消毒用アルコールなど、個人向け防護具の必要性が高い状況にあるのは、介護サービスや障害者向けの福祉施設でも同様である。これらの施設には、防護具が十分に供給されていると政府は認識しているか。また、十分とは言いがたい場合、必要十分な量をこれらの施設等にどのように供給する方針か。

四 これらの防護具に関しては、国による買い上げを増強し、重要度及び優先度に対応した戦略的な配布(供給)を行うべきである。
 そのためには、種類ごとのみならず、それぞれの品に関し、週ごと(ないし月ごと)の国内必要数(国内需要・ニーズ)を把握し、それを目標として、製造能力の増強、輸入のコントロール等を行うべきではないか。政府の方針を示されたい。

  右質問する。