質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第八三号

抱き合わせ販売と言われかねない「配合剤」の開発と後発医薬品へのアクセス機会の阻害可能性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年三月二十三日

川田 龍平


       参議院議長 山東 昭子 殿



   抱き合わせ販売と言われかねない「配合剤」の開発と後発医薬品へのアクセス機会の阻害可能性に関する質問主意書

 聞き及ぶところによると、プロトンポンプ阻害剤と低容量アスピリンが含有される配合剤が上市されるという。経済自由の原則を尊べば、企業が自由に自社の製品を企画開発することに国家が関与するのは厳に慎むべきことと理解するところである。しかし、後発医薬品へのアクセスを阻害しかねない配合剤の開発が横行することは国民の不利益となりかねない故に、以下に抱き合わせ販売と言われかねない「配合剤」の開発について政府の見解を質すものとする。
 血流障害の改善のために低容量アスピリンを長期間にわたり服用せねばならない患者にとって、胃粘膜障害へのリスク管理は重要である。これを解決する一つの方法として、プロトンポンプ阻害剤を活用していくという画期的なアイデアには頭を垂れるところであるが、とはいえ「配合剤」とすることの意味が、特許期間延長やフォーミュラリー対策としての「後発医薬品対策」ということであれば、「あえて高額な先発医薬品との配合剤を使わなければならない」という国民の医薬品の選択の権利を阻害しかねない可能性があり釈然としないものがある。
 例えば、プロトンポンプ阻害剤などのような汎用性のある医薬品の配合剤タイプの新薬の薬価設定においては、すでに上市している同種同効グループの後発品医薬品の価格を参考にして薬価を設定するなどして、新薬を含有する配合剤を開発したとしても、国民の経済的な負担が極度に増えないような配慮をしてしかるべきでないかと考えるが政府の見解を明らかにされたい。また、蛇足ながら問うが、キャプレットタイプのプロトンポンプ阻害剤は、プロトンポンプ阻害剤一般とは異なる特別な製剤であるかのような通説が聞かれるところであるが、これは事実と考えて良いのか。さらにいえば、フォーミュラリーの議論をしていくなかで、他のプロトンポンプ阻害剤より比較的高価なキャブレット製剤をプロトンポンプ阻害剤一般として扱わない判断は当然にあると考えるが、プロトンポンプ阻害剤一般と区別する理由があるのであれば、その理由を明らかにされたい。

  右質問する。