質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第四八号

NHKが不十分な疎明資料をもって各自治体から住民の個人情報(住民票)を大量に取得していることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年二月十八日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   NHKが不十分な疎明資料をもって各自治体から住民の個人情報(住民票)を大量に取得していることに関する質問主意書

 日本放送協会(以下「協会」という。)が自治体への第三者請求に基づいて住民の個人情報(住民票)を取得していることが明らかになっている。これは、目黒区議会議員の川端慎二議員に対する目黒区議会の決算特別委員会での答弁等により明らかとなった。目黒区の答弁によると、協会は住民基本台帳法十二条の三「住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者」に該当するとのことである。また、通常であれば、債務名義(裁判所での判決文)、督促状、債権債務のわかるもの、契約書の写し等の疎明資料が必要であり、目黒区では現に不動産業者に対してはこのような取扱をしているが、協会に対してだけは、「住所・氏名・契約年月日・お客様番号」の四点のみの記載で住民票の写しを交付している。このようにして、年間かなりの国民の住民票の写しが協会および、協会と業務委託契約を締結している委託会社などによって取得され、個人情報が流出していることに大きな問題を感じる。最近であれば、令和元年十一月八日、愛知県内での受信料の集金業務などを委託していた会社の社長が、契約者の個人情報を悪用してキャッシュカードを窃盗し、懲役三年・執行猶予五年との判決が出たこともあり、協会の個人情報の取扱については国民の目も厳しくなってきているといえる。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 協会による住民票の第三者請求は住民基本台帳法の「住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者」に該当するのか。該当する場合、第三者請求時に提出している資料として、「住所・氏名・契約年月日・お客様番号」だけでなく、契約書の写しや債権債務のわかるような疎明資料が必要だと考えるが、政府の見解如何。

二 協会以外の事業者には疎明資料として債務名義、督促状、債権債務のわかるもの、契約書の写し等を求めておきながら、協会に対しては契約書の写しすら疎明資料として求めずに住民票の写しを交付することは、平等取扱の原則に反し、自治体首長の裁量権の逸脱又は濫用であり、違法であると考えるが、政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁案作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁を求めない。国会法七十五条二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。