質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第三三号

子どもの貧困施策の地方自治体に関連する事項に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年二月四日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   子どもの貧困施策の地方自治体に関連する事項に関する質問主意書

 私は二〇一九年六月四日の参議院内閣委員会において、子どもの貧困対策に関する質疑を行った。地方自治体への支援の強化を訴える私の質問に対し、政府は「国の地域子供の未来応援交付金などを活用し、実態調査や施策推進のモデル事業などを実施している」旨の答弁を行っている。

一 この地域子供の未来応援交付金は「令和元年度当初予算と平成三十年度補正予算を合わせて約四億円」とのことだが、子どもの貧困対策の重要性と比較して、地域の支援という視点からいっても果たしてこれで十分と認識しているのか、当該委員会において、実質的な返答がなかったため、再度質問する。

二 この地域子供の未来応援交付金の執行率の低さはどのような原因に起因していると認識しているか。

三 この地域子供の未来応援交付金の用途は、「子供の貧困の実態把握や連携体制の整備に取り組む自治体を支援するため」とされており、本体にあたる子どもの貧困対策の事業費支援としては、めぼしいものがない。その結果、子どもの貧困対策に熱心に取り組む自治体ほど、負担が重くなるということになりかねない。
 地域子供の未来応援交付金だけでなく、国として、自治体が財政的に困らないための財源確保(国から地方公共団体への財政措置)が重要だと考えるが、政府の認識を示されたい。

四 この度の法改正で、子どもの貧困対策の計画策定についての努力義務の対象が都道府県から市町村に拡大した。計画を策定させることはできても、計画は実行が肝要であり、負担の重さから計画の実行に二の足を踏む地方自治体があることも想定される。
 地方自治体が積極的に子どもの貧困対策を行うような何らかのインセンティブを検討すべきではないかと考えるが、これに関する政府の考えを示されたい。

五 就学援助の認定基準や子ども医療費助成制度については、自治体によって大きな差があることが指摘されている。医療機関に子供を受診させられなかった経験が地域によっては十五%を超えているという指摘もある。新たに子どもの貧困対策に関する大綱に規定された「児童の権利に関する条約の精神」からしても、子ども医療費助成等少なくとも命に関わる事項については、全国単位の平準化を図るべきではないか。

  右質問する。