質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第八三号
  令和元年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出HPVワクチン接種の積極的勧奨再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出HPVワクチン接種の積極的勧奨再開に関する質問に対する答弁書

一について

 ヒトパピローマウイルスワクチン(以下「HPVワクチン」という。)接種を含むワクチン接種後の副反応であることが疑われる症状については、厚生労働省において、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第十二条第一項並びに医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第六十八条の十第一項及び第二項の規定に基づき、医師等からその情報の収集を行っているが、お尋ねの「HPVワクチン接種後に重篤な有害事象(注射後の注射部位における一時的な痛み等の重大でない有害事象を除く。)が生じることを、統計的有意差をもって証明した研究データ」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

二について

 HPVワクチン接種を含むワクチン接種によって生じた健康被害については、予防接種法、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号)等に基づく救済制度等があり、通常の医学的見地によれば接種後の症状の原因として予防接種以外の要因も考えられるが接種後の症状が予防接種によって起こることを否定はできない場合も救済の対象としているところである。また、政府としては、HPVワクチン接種後に症状が生じた方への対応として、厚生労働省が平成二十七年九月十七日に公表した「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する当面の対応」に基づき、健康被害の救済に係る速やかな審査、広範な疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状を呈する者に対して、より身近な地域において適切な診療を提供するために、都道府県知事が指定した協力医療機関の医師向けの研修の実施等に取り組んでいるところである。

三について

 HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨の在り方を含む接種の在り方については、今後の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の合同会議における議論等を踏まえ、総合的に判断してまいりたい。

四について

 御指摘の「政策を決定する際に政策の不利益のみを強調する声は、政策実現の大きな妨げとなる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、政策の決定に当たっては、幅広く意見を聴くとともに、科学的根拠等を踏まえつつ、適切に判断していく必要があると考えている。