質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第七八号
  令和元年十二月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員熊谷裕人君提出ローマ教皇の核廃絶演説に対する政府の受け止めに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員熊谷裕人君提出ローマ教皇の核廃絶演説に対する政府の受け止めに関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 我が国は、唯一の戦争被爆国として核兵器使用による惨禍を二度と繰り返してはならないと考え、核兵器のない平和で安全な世界の実現を目指した取組を粘り強く行ってきている。一方、現実の国際社会においては、いまだ核戦力を含む大規模な軍事力が存在しており、そのような厳しい安全保障環境の下で我が国として安全保障に万全を期するためには、核を含む米国の抑止力に依存することが必要であると考えている。我が国としては、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器の非人道性と安全保障の二つの観点を考慮しながら、現実的かつ実践的な核軍縮のための措置を着実に積み上げていくことが重要であると考えている。

四について

 我が国は、核兵器禁止条約が掲げる核兵器廃絶という目標は共有している。一方、同条約は、その交渉に当たりいずれの核兵器国等の参加も得られず、また、現実の国際社会における安全保障の観点を踏まえて作成されたものとはいえないことから、核兵器国のみならず、核の脅威に晒されている非核兵器国の支持を得られていない。現実の国際社会においては、いまだ核戦力を含む大規模な軍事力が存在しており、そのような厳しい安全保障環境の下で我が国として安全保障に万全を期するためには、核を含む米国の抑止力に依存することが必要である。我が国としては、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器の非人道性と安全保障の二つの観点を考慮しながら、現実的かつ実践的な核軍縮のための措置を着実に積み上げていくことが重要であると考えている。こうした我が国の立場は、同条約の考え方とは異なるものであることから、同条約に署名する考えはない。