質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二〇号

衛生管理の不十分な入浴施設等での感染の現状に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十二月九日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   衛生管理の不十分な入浴施設等での感染の現状に関する質問主意書

 入浴は、長い歴史を持つ日本の文化であり、身体を清潔にするとともに、疲れを癒す効能もある。一方で、浴槽に湯を張った直後は僅かだった雑菌の数が、入浴人数に応じて増加し、そのまま一晩放置した場合には、入浴直後の約千倍に増加したという調査結果がある。
 ことに追い焚きシステムを利用した浴槽の場合、一度使用した湯が配管を通って給湯器で温められ、また浴槽内に戻ってくるという循環の仕組みになっている。すなわち、汗や皮脂汚れ、石鹸のすすぎ残しや入浴剤などが、配管の中に溜まり続けてしまうことになる。そうなると、雑菌は汚れを餌に増え続けるため、健康上の懸念はより高まる。
 このように、追い焚きシステムを利用した浴槽等の中で一晩以上置いた湯は、雑菌が非常に繁殖しやすい状況になっており、「入浴による雑菌の付着や感染」が起きかねない。
 これらの前提に立ち、以下の通り質問する。

一 追い焚きシステムを用いて、浴槽の湯を複数日使った場合の衛生上の問題点について、政府はどのような認識をしているか。

二 衛生管理が不十分な入浴施設等で、入浴者が病原菌に感染する事例が存在する。特に、入浴施設等での感染が多いとされるレジオネラ症の患者数は、二〇一七年で千七百二十二名と十年前の二・五倍に増加している。入浴施設等での集団感染も、過去複数例発生している。
 衛生管理の不十分な入浴施設等での雑菌の感染による健康障害について、政府はどのような認識をお持ちか。
 また、衛生管理の不十分な入浴施設等での雑菌の感染による健康障害について、仮に本格的な調査を行っていないのならば、政府は現状の調査を行うべきと考えるが如何か。

三 追い焚きシステムの配管は頻繁に掃除しにくい構造ということもあり、残り湯を放置すれば雑菌に大量繁殖の場を与えることになり、衛生的とはいい難い。衛生上の懸念を減少させるためには、浴槽の湯はできるだけその日の内に利用し、二日以上ため置かない方が望ましいことを、国民に周知すべきと考えるが、これについての政府の見解を伺う。

  右質問する。