質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一五号

新漁業法に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十二月九日

紙 智子   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新漁業法に関する質問主意書

 漁業法等の一部を改正する等の法律(以下「新漁業法」という。)が成立してから一年が経過した。
 新漁業法は、漁業協同組合・地元漁業者に優先的に与えていた漁業権の制度を廃止し、漁民の意見を反映する漁業調整委員の公選制を廃止するものであることから、漁業関係者や学者から反対意見・慎重審議を求める意見が出されたにもかかわらず、まともな説明もなく納得もできないまま成立が強行された。
 二〇二〇年の新漁業法の施行を目指し、政省令を制定する準備作業が行われているが、漁業関係者や学者から、説明や広報が足りず、開かれた議論が不十分であるとの意見が出されている。
 新たな政省令は、漁業生産と地域経済を再生させるために漁業経営の安定と、漁業者の参加と納得を基本に検討する必要がある。
 そこで、以下、質問する。

一 新漁業法の元となる水産庁の法案骨子の説明は、全国にある九百五十五の漁業協同組合のうち、七十七の漁業協同組合に行うにとどまった。政省令案等の説明は、すべての沿岸漁業協同組合、海区調整委員会に行ったのか。説明を行った漁業協同組合名及び海区調整委員会名を明らかにされたい。
 また、今後の沿岸漁業協同組合、海区調整委員会への説明並びに同意を得るスケジュールを明らかにされたい。

二 政令案の地方自治体への説明は行ったのか。行ったのであれば、開催日時、参加自治体、議事録を公表されたい。また、新漁業法の施行に当たり、地方自治体においては条例の制定が必要になるのか、政府の見解を求める。

三 国連海洋法条約では、小規模・伝統的漁業者への特別な配慮の必要性が定められているが、同条約の内容を政省令にどのように反映させるのか。政府内での検討状況を明らかにされたい。

四 新漁業法の施行にあたり、遊漁船業者とプレジャーボート業者への指導、管理が必要になるが、それらは国が行うのか、政府内での検討状況を明らかにされたい。

  右質問する。