質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八六号

NHKの委託業者による個人情報漏洩に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十二月三日

浜田 聡   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   NHKの委託業者による個人情報漏洩に関する質問主意書

 NHK名古屋放送局は、令和元年十一月八日、愛知県内での受信料の集金業務などを委託していた会社の社長が、契約者の個人情報を悪用して特殊詐欺に関与した疑いがあると発表した。被害者は少なくとも三名で、キャッシュカードを盗まれ現金を引き出されるなどの被害を受けたとのことである(以下「本事案」という。)。
 同局は、漏洩した個人情報について、「名古屋市と春日井市内の受信契約者の「氏名」、「住所」、「電話番号」、「口座振替用の金融機関名」で、二十三人分」としている。これは善良な市民生活者を不安に陥れる非常に悪質な行為であり、看過出来る事案ではない。
 「放送受信者等の個人情報保護に関するガイドライン」第十二条第三項では「受信者情報取扱事業者は、放送受信者等の個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。」と定められている。
 そこで、本事案を踏まえ、以下質問をする。

一 総務大臣は事業の所管大臣として、本事案について個人情報保護委員会への報告を行ったか。

二 前記一について、総務大臣が個人情報保護委員会へ報告を行った場合、その報告の内容を明らかにされたい。また、報告を行っていない場合、その理由を伺いたい。

三 総務大臣は、本事案について個人情報の保護に関する法律第四章第三節に基づき、指導及び助言、立入検査や勧告などの措置を講じたか。

四 前記三について、総務大臣が個人情報の保護に関する法律に基づく措置を講じた場合、その措置の内容を明らかにされたい。また、措置を講じていない場合、その理由を伺いたい。

五 総務大臣が一般財団法人放送セキュリティセンター(SARC)から受けた本事案についての報告のうち、「事案の概要」、「漏洩が発覚した委託先法人名」、「漏洩、滅失又は毀損した情報の内容」、「漏洩、滅失又は毀損した情報に係る本人の数」、「発生原因」、「二次被害(のおそれを含む。)の有無(被害がある場合はその内容)」、「本人への対応」、「再発防止策」の内容について明らかにされたい。

六 NHK名古屋放送局は本事案を受け、「十一月十五日までに全国の委託先法人に対して個人情報の管理状況などについて緊急点検を実施する」としているが、緊急点検の内容とその結果を明らかにされたい。

七 総務大臣は、前記六の緊急点検の内容とその結果を把握しているのか。把握していない場合、今後把握したうえで開示する予定はあるか。

八 個人情報の保護に関する法律が施行された平成十五年から現在まで、NHKが契約・収納業務を委託した法人がNHK受信契約者の個人情報を漏洩した事案の件数と、それぞれの事案の内容について具体的に明らかにされたい。

九 総務大臣は、NHKが契約・収納業務を委託した法人による個人情報漏洩の再発防止策として、具体的にどのような措置を講じていく考えか伺いたい。

  右質問する。