質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八五号

「米国主催国際海上訓練について」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十二月三日

福島 みずほ   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   「米国主催国際海上訓練について」に関する質問主意書

一 本年十月十一日、防衛省の海上幕僚監部は、「米国主催国際海上訓練について」という訓練広報を発表した。同訓練広報では、「本訓練は平成二十四年から開催されており、今回で六回目となる。海上自衛隊は平成二十四年の初回から毎回参加している」としているが、正確には、二〇一二年から二〇一六年までは「国際掃海訓練」の実動訓練、二〇一七年は「米国主催国際海上訓練」の指揮所演習にそれぞれ参加しており、今回は、「米国主催国際海上訓練」の実動訓練に参加したのではないのか。
 また、今回派遣された掃海母艦「ぶんご」は七十六ミリ砲を装備し、機雷敷設能力をもっているが、今回の訓練で海上自衛隊が機雷敷設訓練、七十六ミリ砲の発射訓練を行ったのか否かを、明らかにされたい。併せて、掃海母艦「ぶんご」に七十六ミリ砲の砲弾、実機雷または訓練用機雷を搭載していたのか否かについても明らかにされたい。

二 「国際海上訓練」は、「国際掃海訓練」よりも訓練内容を拡大したものではないのか。アメリカ海軍のホームページ(NAVY.MIL)の「国際海上訓練」の説明を見ると、「海上防衛作戦の全範囲にわたる知識と経験の共有」が掲げられており、また、具体的には訓練内容に臨検訓練が加えられた旨とともに、パキスタン海軍が小銃を構えて臨検を行う写真が掲載されている。政府は、「国際海上訓練」の訓練内容をどのように把握しているか。

三 今回派遣された掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「たかしま」の乗組員は、臨検訓練に参加しなかったと考えてよいか。
 また、自衛隊は、重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律第二条に定義されているように、重要影響事態等の認定と、国連安全保障理事会の決議または旗国の同意がない限り、海外での臨検(船舶検査活動)は出来ないということでよいか。

四 二〇一七年四月二十一日に海上幕僚監部が発表した「米国主催国際海上訓練への参加について」という訓練広報では、指揮所演習の主要訓練項目として、(1)多国籍軍司令部における情報共有要領、(2)協力支援活動に係る多国籍軍との調整要領、(3)協力支援活動に係る運用要領があげられているが、今回の訓練でも、そうした訓練を行ったのか。

五 政府は、オマーン湾へ自衛隊の部隊を日本政府独自の判断で派遣することを検討していると報道されているが、「有志連合」ないし「海上安全保障イニシアチブ」の司令部に、自衛官を派遣することは想定しているか。

六 今回の訓練については、海上幕僚監部が本年九月十三日に発表した訓練広報「インド洋における海上訓練について」によれば、同月十五日から三ケ月間、バングラデシュ人民共和国、インド、マレーシア、モルディブ共和国、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国の各国を訪問し、各国海軍等と掃海訓練、潜水訓練等を行うこととしていた部隊(掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「たかしま」)を、途中からバーレーンに向かわせたとの印象を受けるが、これら各国の訪問、各国海軍等との訓練は、すべて実施したのか、あるいは一部又は全部を中止したのかを明らかにされたい。

七 本年十月十四日に予定されていた海上自衛隊の観艦式は、「災害出動に専念するため」として中止されたが、海上幕僚監部の広報を見ると、来日した諸国海軍との訓練ばかりが目立つ。台風十五号、十九号に対応した海上自衛隊、航空自衛隊の災害出動について、日付と艦艇や航空機の種類、出動期間を明らかにされたい。

  右質問する。