質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七九号

現在のGSOMIAの状況に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十一月二十八日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   現在のGSOMIAの状況に関する質問主意書

 本年十一月二十六日、河野太郎防衛大臣は記者会見で「現在のGSOMIAの状況については、外務省に協定上の解釈についてはお尋ねをいただきたいと思いますが、私の理解においては、今回の通告の停止は、一時的なものと理解しております」と発言した。
 さらに防衛大臣は「外交当局並びに国防当局は、GSOMIAの必要性については、韓国側は十分に理解をされておりますので、韓国側がそれに基づいた賢明な対応をとることを期待したい」との認識を示した。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 「現在のGSOMIAの状況」は、「一時的」に破棄が「停止」されているものであり、このまま継続されるか否かは白紙状態であるという理解でよいか。

二 防衛大臣の「外交当局並びに国防当局は、GSOMIAの必要性については、韓国側は十分に理解をされて」いるとの発言は、「韓国の外交部、国防部の長官をはじめとして担当部局は「GSOMIAの必要性」を認識して」いるという理解でよいか。

三 前記二に関連して、韓国の外交部や国防部はGSOMIAの必要性を認識しているものの、大統領府(青瓦台)は異なる判断をしており、大統領府の意向でGSOMIAの継続の是非が検討されているという理解でよいか。

四 韓国の聯合ニュースでは、韓国政府がGSOMIAの終了を条件付きで延期する決定をしたことと関連し、日本政府が韓国政府に輸出規制関連の対話を提案する際に、輸出規制の撤回までに約一カ月程度の期間を要すると言及したことが報じられている。このため、韓国政府は今後一、二カ月程度日本政府の動向を見守った後、変化がないと判断すればGSOMIAの終了を積極的に検討する見通しであることが報じられているが、日本政府が輸出規制の撤回までに約一カ月程度の期間を要すると韓国政府に伝えていたことは事実か。

五 前記四に関連して、日本政府が輸出規制を撤回しないと韓国の大統領府が判断すれば、韓国の外交部、国防部の長官をはじめとして担当部局が「GSOMIAの必要性」を認識していたとしても、GSOMIAは破棄されることになる。一方、十一月二十二日、経済産業省の飯田陽一貿易管理部長は記者会見で、日韓当局間の局長級の政策対話の再開に向け、課長級の準備会合を開く方針を示し、「輸出管理当局として判断した。GSOMIAとは全く関係ない」との旨発言するとともに、対韓輸出規制強化については「厳格な審査を行っており、今後も個別審査を通じて許可を行う方針に何ら変更はない」と発言している。これらの貿易管理部長の発言は政府内で共有されているのか。

六 前記五に関連して、右の貿易管理部長の発言を踏まえると日韓政府の認識に重大な齟齬があることは明らかであり、GSOMIAは二、三カ月後には破棄されることになるのではないか。政府の見解如何。

  右質問する。