質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六二号

政治資金についての安倍総理の姿勢に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十一月十五日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   政治資金についての安倍総理の姿勢に関する質問主意書

 平成二十八年三月二十九日、安倍総理は参議院予算委員会において、「政治資金の在り方については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう、自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものであると考えています」と発言した。また、令和元年十月十五日の参議院予算委員会でも、「政治資金については、各政治家が、これは与党、野党問わず、政治資金規正法にのっとって、しっかりと法令にのっとって処理すべきものだろうと思います。そして、個々の言わば事案については、それぞれの議員が責任を持って説明責任を果たしていくべきものだろう」と発言しており、安倍総理は一貫して、政治家が政治資金について疑念を持たれたら、「それぞれの議員が責任を持って説明責任を果たしていく」との認識を示している。
 安倍晋三事務所名の「「桜を見る会」のご案内」と記された平成二十九年二月の文書によると、同年四月の桜を見る会に合わせ、東京スカイツリーや浅草散策など五つの「観光コース」が提示されており、また、東京都内のホテルでの夕食会(以下「本夕食会」という。)は安倍総理の後援会主催で、会費は五千円であったことが明らかにされている。本夕食会には安倍総理夫妻も出席していた。
 政治資金規正法により、政治家が資金集めパーティーなどを実施した場合、収支を政治資金収支報告書に記載する必要がある。同パーティーなどにおいて、地元の選挙区の有権者が会費を払っていても、実際の経費との差額分を政治家側が負担していれば、公職選挙法が禁じる買収の疑いが出てくる。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 安倍総理はこれまでの一貫した主張のように、「政治資金の在り方については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう、自ら襟を正し、説明責任を果たすべき」であり、予算委員会等の場で自ら説明責任を果たすべきではないか。

二 前記一に関連して、安倍総理が予算委員会等の場で説明責任を果たさないならば、右の予算委員会での発言は虚偽答弁ではないか。

三 本夕食会が実施された一流ホテルの立食パーティーの標準的な価格設定、本夕食会で供されたとされる東京銀座の有名寿司店のメニューや酒類に鑑みれば、五千円の会費だけで本夕食会を実施することは困難ではないか。安倍総理の見解如何。

四 前記三に関連して、本夕食会の収支が安倍晋三衆議院議員の政治資金団体などの政治資金収支報告書に記載されていないことは事実か。

五 本夕食会に関する一連の説明責任の放棄、本夕食会の収支の不透明さに鑑みれば、安倍総理は政治責任を免れ得ない。安倍総理のこれまでの国会での政治資金に関わる答弁を踏まえれば、その政治責任は重いと断ぜざるを得ない。安倍総理はどのようにして政治責任を取るべきと考えているのか。安倍総理の見解如何。

  右質問する。