質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六一号

暗号資産による納税に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十一月十五日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   暗号資産による納税に関する質問主意書

 令和元年十一月十三日、大阪府寝屋川市は、住民税など約三百十五万円を滞納した男性から暗号資産(仮想通貨)百二十二円を差し押さえたと発表した。
 発表では、男性は住民税を納付せず、延滞金などを含め計三百十四万九千六百二十円を滞納した。寝屋川市は同年九月に預金口座を差し押さえ、十四万一千四百円を徴収した。さらに、口座の記録などから暗号資産の取引をしていたことが分かり、交換業者に債権差押通知書を送付して同年十月二十一日に百二十二円を徴収した。寝屋川市は「今回は少額だったが、資産隠しや差し押さえ逃れに暗号資産を悪用しようとする滞納者への警告になる」としている。
 国税通則法第三十四条では、「国税を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書(中略)を添えて、これを日本銀行(中略)又はその国税の収納を行う税務署の職員に納付しなければならない」と規定されていることから、国税は金銭により納付することが前提となっていると考えられる。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 国税は、通常、金銭により納付することになっているという理解でよいか。その根拠となる法令と条文も併せて示されたい。

二 暗号資産により国税を納付することは、現状では想定されていない、もしくはできないという理解でよいか。

三 右の寝屋川市の事例のような暗号資産の徴収による収税は、差し押さえの手続を利用したものであり、同様な措置は国税においても現行法上禁じられていないという理解でよいか。

四 暗号資産により国税を納付することは、国税通則法上の「物納」という形式であれば許されるのか。

五 右の寝屋川市の指摘のように、税金滞納者が差し押さえを逃れるために財産を暗号資産にすることも想定される。国税徴収法第六十二条でいう「電子記録債権」に、暗号資産は含まれているという理解でよいか。

  右質問する。