質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四九号

諸外国における水道分野へのコンセッション事業の導入等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月三十一日

吉田 忠智   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   諸外国における水道分野へのコンセッション事業の導入等に関する質問主意書

 二〇一八年に水道法が改正されたが、多くの外国ではすでに水道分野でコンセッション方式によるPFI事業(以下「コンセッション事業」という。)が導入されている。しかし、フランスのパリ市の水道などでは、コンセッション事業化・民営化とは反対に「再公営化」が始まっているという報告もある。以下、その実態とこれに対する政府の見解を伺う。

一 諸外国における水道事業に関し、「再公営化」が進んでいる国及びその自治体の数とその特徴について、政府の把握しているところを示されたい。

二 諸外国での水道事業の「再公営化」について、日本政策投資銀行の地域企画部担当部長は、「よく「再公営化」と言われて例に出されるパリ市では、パリ市が百%出資している商工公社が業務を実施しており、正しくは「公社化」である」、「フランスの多くの自治体では、施設の整備は公共が担当し、維持管理・運営・料金徴収は民間企業が行うアフェルマージュ方式が採用されている」旨述べている。こうした見解についてどのように評価しているか、政府の見解を伺う。

三 水道分野にコンセッション事業を導入している主な外国における水道事業の財政状況について、政府の把握しているところを示されたい。

四 水道分野にコンセッション事業を導入している主な外国において水質等の安全性について問題はあったか、政府の把握しているところを示されたい。

五 水道分野にコンセッション事業を導入している主な外国における水道事業の落札事業者の状況、特に外国企業や外国資本がどのくらいの割合・数に達しているのかについて、その特徴と傾向を明らかにされたい。また、水道分野にコンセッション事業を導入している主な外国において、水道事業に携わる自治体職員(公務員、非公務員を含む。)の数はどのように変化しているか。

  右質問する。