質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四七号

国務大臣等による大規模パーティーの定義に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月三十日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   国務大臣等による大規模パーティーの定義に関する質問主意書

 「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(平成十三年一月六日閣議決定。以下「本規範」という。)では、「政治家であって国務大臣等の公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する」ため、「国務大臣、副大臣及び大臣政務官に関する規範を定める」としている。
 本規範では、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」ことが明示されている。
 平成十九年十一月十九日、参議院決算委員会で町村信孝官房長官は、「大規模パーティーというのは歴代内閣では禁止を、禁止というか自粛をするということになっております。大体千人程度をめどにしてそれを考えている」とし、出席者数が千人以下のものは「大規模パーティー」に当たらないとの見解を示した。
 令和元年十月二十八日、河野太郎防衛大臣は東京都内で政治資金パーティーを開き、主催者によると約八百人が参加したと承知している。
 この政治資金パーティーについて、河野大臣は同月二十五日の記者会見で「千人以下だし、閣僚になる以前から続いているものを同じ程度で行うので問題ない」旨発言している。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 本規範でいう「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なもの」の定義を明らかにされたい。

二 本規範の趣旨を踏まえれば、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なもの」であるか否かはそのパーティーの出席者数だけではなく、調達できた政治資金の多寡でも定義されるべきではないか。政府の見解を明らかにされたい。

三 本規範は、「政治家であって国務大臣等の公職にある者としての清廉さを保持」するために定められており、公職にない一人の「政治家」と「国務大臣等の公職にある者」とで明確な線引きをしている。河野大臣の「閣僚になる以前から続いているものを同じ程度で行うので問題ない」との発言は、本規範の趣旨に反するものであり、不適当ではないか。政府の見解如何。

四 前記三に関連して、本規範は、公職にない一人の「政治家」と「国務大臣等の公職にある者」とで明確な線引きをしており、「閣僚になる以前から続いている」パーティーを国務大臣等の公職にある者が「同じ程度で行う」から問題ないという河野大臣の判断は、必ずしも本規範からは導き出せないのではないか。政府の見解如何。

五 河野大臣は前述の政治資金パーティーで、「私はよく地元で雨男と言われた。防衛相になって既に台風が三つ(来た)」との旨発言し、出席者の笑いを誘ったと承知している。自衛隊の災害派遣活動を紹介する文脈での発言であるものの、今秋の度重なる台風では多数の死者が出て、かつ、被災した家屋の復旧もままならず、被災者の方々の多くは途方に暮れている状態が継続している。本規範では「政治と行政への国民の信頼を確保する」とも定められているが、河野大臣のかかる発言は「政治と行政への国民の信頼」を自ら損なうものであり、不適切である。河野大臣は本発言を撤回し、改めて謝罪すべきではないか。河野大臣の見解如何。

  右質問する。