第200回国会(臨時会)
質問第三五号 幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する再質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和元年十月十八日 吉川 沙織
参議院議長 山東 昭子 殿 幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する再質問主意書 私が提出した「幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する質問主意書」(第二百回国会質問第二号。以下「前回主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質二〇〇第二号。以下「前回答弁書」という。)を踏まえ、改めて質問する。 一 前回答弁書の「四について」によれば、九月二十五日の官報正誤においても「実際の条例に引用される箇所」の正誤措置が含まれていた。当該正誤措置の内容について、官報正誤を行う前に、地方自治体に対して周知したか明らかにされたい。周知した場合、その日付及び手段を明らかにされたい。 二 九月二十五日の官報正誤から幼児教育・保育の無償化が開始される十月一日まで、九月二十五日を含めて四営業日しか日数がない。その上で、前回答弁書の「五及び六について」においては、「地方公共団体において施行に際して準備が間に合わなかった例は承知していない。」との答弁がなされている。当該答弁は、十月一日時点で、全ての地方自治体において、両内閣府令の正誤措置の内容を反映した条例が策定されていたという意味合いであるのか、それとも、幼児教育・保育の無償化を実施するための条例が全ての地方自治体で制定されていたという点を捉まえた意味合いにすぎず、地方自治体によっては、当該条例が両内閣府令の正誤措置の内容を反映していないこともあり得るということであるのか、当該答弁の趣旨を明らかにされたい。 三 両内閣府令の誤りのある条文を引用する条例を制定し、いまだこれを改正していない地方自治体が存在するかどうかについて、政府として把握する予定はあるか明らかにされたい。 四 両内閣府令の誤りのある条文を引用する条例を制定した地方自治体が存在する場合における、両内閣府令の正誤措置の内容を反映する形での当該条例の改正の要否及び当該改正の期限について、前回答弁書の「九及び十について」では、「各地方公共団体においては、その取扱いについて適切に判断されるものと考えている。」として、質問に対して真正面から答弁していない。条例の取扱いを最終的に判断するのは地方自治体であるとしても、当該答弁は、そもそも政府が負うべき本件の責めを地方自治体に転嫁しているようにも読める。政府としてどのような対応を地方自治体に期待しているのかを明確にするのは当然であり、改めて問うので、当該条例の改正の要否及び当該改正の期限についての政府の見解を明らかにされたい。 五 前回主意書の十で質問した、両内閣府令の誤りのある条文を引用する条例が改正されるまでにおける当該条例の効力及び当該条例を根拠として実施した幼児教育・保育の無償化の効力がそれぞれどのように評価されるのかについても、前回答弁書では明確な答弁がなかった。無用な疑念を招来しないようにすることは本件を発生させた政府の責任であるから、政府として当該効力についての見解を明確にするのは当然である。改めて問うので、政府の見解を示されたい。 六 本件が発生した原因について、前回答弁書の「十二について」では「内閣府における両府令の作成過程において、十分な確認が行われなかったことにより生じた」と答弁している。幼児教育・保育の無償化を実施するに当たっての両内閣府令の重要性は内閣府が最も承知しているはずであるにもかかわらず、通常では考えられない数の誤りが生じたのは、「十分な確認が行われなかった」からというよりも、「十分な確認を行える状況になかった」からではないかと思料する。政府は、「十分な確認が行われなかった」ことの背景をどのように分析しているのか見解を示されたい。 右質問する。 |