質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二七号

安倍首相と日朝首脳会談に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月十五日

有田 芳生   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   安倍首相と日朝首脳会談に関する質問主意書

 安倍首相は日朝首脳会談の実現を「条件をつけず」にめざすと最近語っています。この発言の真意について質問します。

一 安倍首相は今年五月一日に行われた産経新聞のインタビューで、「条件をつけずに金正恩朝鮮労働党委員長と会って、率直に、虚心坦懐に話し合ってみたい」と語ったと報じられました(令和元年五月二日付けの産経新聞記事)。この紙面の見出しでは「首相「無条件で日朝会談」 拉致解決 北へ決意示す」とあります。政府は、安倍首相が日朝首脳会談を「条件をつけず」に開催したいと語ったのは、このインタビューがはじめてだと認識していますか。またこの発言を前提にすれば、政府は、これまでは日朝首脳会談の実現に「条件をつけていた」ことになります。その「条件」とはどういう内容だったのですか、具体的にお示しください。

二 前記一の産経新聞記事では「首相は「拉致問題を解決することは、まず日朝平壌宣言にのっとって国交正常化することだ」とし、平成十四年に当時の小泉純一郎首相と金正日国防委員長が署名した日朝平壌宣言が交渉の基礎との考えも示した」と報じられています(以下「この報道」とする)。この報道が事実なら、拉致問題の解決は「出口」であって、まず日朝国交正常化を実現すべきと安倍首相が考えているとしか理解できません。政府は、この報道のとおり、安倍首相が拉致問題の解決を日朝国交正常化の「出口」に位置づけたと認識していますか。

三 安倍首相へのインタビューの詳細を報じた同月三日付けの産経新聞記事には、前記二のこの報道における安倍総理の発言に関するくだりがありません。さらにいえば「日朝平壌宣言」という表現もありません。インタビューの詳細の公表にあたって、政府は、安倍首相がインタビューで行った当該発言を産経新聞社に削除させたのですか。そうならば削除させた理由をお示しください。あるいは、政府は、前記二のこの報道が正確ではなく、安倍首相が語っていないことを語ったかのように報じられたと認識していますか。

  右質問する。