質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九号

国連決議違反の北朝鮮のミサイル発射に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月四日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   国連決議違反の北朝鮮のミサイル発射に関する質問主意書

 令和元年十月二日、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域内に落下した。これに対し、安倍総理は、「国連決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難」すると述べた。
 一方、菅官房長官は同日の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射が日朝関係に与える影響について、「条件を付けずに(北朝鮮と)向き合う立場に変わりはない」とした上で、拉致問題の解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していく旨述べ、引き続き日朝首脳会談の実現を目指す方針を示した。
 これらの発言を踏まえ、以下質問する。

一 安倍総理のいうところの「厳重」な「抗議」とは具体的にはどのような手段で行われたのか。北朝鮮政府に文書で申し入れ等を行ったのか。それとも北朝鮮政府関係者に口頭で抗議を行ったのか。

二 前記一の「厳重」な「抗議」は、従来指摘されているように、北京の北朝鮮大使館に、北京の日本大使館から、ファクスにより抗議文を送付したに止まるのではないのか。

三 拉致問題の解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動するために、北朝鮮と向き合う立場に変わりはないとの政府の方針は尊重するものの、ミサイル発射をはじめとする北朝鮮の度重なる国連決議違反を放置することには問題があると思われる。すなわち、国連決議違反に対して毅然たる態度を取らなければ、国連の権威のみならず、日本政府の外交姿勢も問われかねない。北朝鮮の度重なる国連決議違反に対して、政府はどのような方針で臨もうとしているのか、また今後どのような外交交渉を行おうとしているのか。政府の見解如何。

四 日朝首脳会談の実現を目指すという政府の方針について、政府は、実現するに当たっての具体的な選択肢として、(1)安倍総理が北朝鮮を訪問すること、(2)北朝鮮国務委員長の金正恩氏を日本に招くこと、(3)安倍総理と金委員長が日本と北朝鮮以外の第三国で会談することの全てを想定しているという理解でよいか。

五 前記四の(1)から(3)のいずれかについて、政府はこれまで北朝鮮に対し、その実現に向けた働きかけを行ったことはあるか。あるのであれば、具体的に前記四の(1)から(3)のどれについて働きかけを行ったのか、明らかにされたい。

  右質問する。