質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第九〇号

内閣参質一九八第九〇号
  令和元年七月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出いじめ防止対策推進法の運用の徹底確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出いじめ防止対策推進法の運用の徹底確保に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 政府としては、各学校等において、いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号。以下「法」という。)第二十二条に規定するいじめの防止等の対策のための組織(以下「学校いじめ対策組織」という。)が中心となって、各学校が定める法第十三条に規定するいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針が、当該学校の実情に即して適切に機能しているかを点検し、必要に応じてこれを見直すことは重要であると考えている。
 このため、文部科学省において、御指摘の「いじめ防止対策推進法に基づく組織的な対応及び児童生徒の自殺予防について(通知)」(平成二十七年八月四日付け二十七初児生第二十号文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)を発出した後も、法第十一条第一項に規定するいじめ防止基本方針である「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成二十五年十月十一日文部科学大臣決定(最終改定 平成二十九年三月十四日)。以下「国の基本方針」という。)を改定した際に、学校いじめ対策組織について、「学校いじめ防止基本方針が当該学校の実情に即して適切に機能しているかについての点検を行い、学校いじめ防止基本方針の見直しを行う役割」等が想定されることを新たに規定し、各学校が組織的かつ実効的にいじめの問題に取り組むことを求めているところである。
 また、お尋ねの、教育委員会において「各学校における点検の結果を適切に評価し必要な改善を指導等する取り組み」については、国の基本方針において、「教育委員会をはじめとする学校の設置者」において、学校いじめ対策組織の「役割が果たされているかどうか確認し、必要な指導・助言を行う」ことを示すなど、各都道府県教育委員会等が各学校におけるいじめの防止等の取組の点検を行い、必要な指導・助言を行うことを求めているところである。
 さらに、お尋ねの「児童生徒に対するアンケートやヒアリングの実施などによってその現状や対策の実効性を判断するような取り組み」については、国の基本方針において、いじめの早期発見のため、学校や学校設置者が児童生徒に対する定期的なアンケート調査を実施することを求めているほか、「児童生徒に対する定期的なアンケートを実施する際に、児童生徒が学校いじめ対策組織の存在、その活動内容等について具体的に把握・認識しているか否かを調査し、取組の改善につなげることも有効である」ことを示すなど、各学校において、学校いじめ対策組織の存在及び活動が児童生徒に対して容易に認識される取組を実施するよう求めているところである。
 このようなことから、現時点において、お尋ねの「改めて全国の教育委員会及び学校に対してそれぞれの事項の点検及びそれに基づく着実な対策の実施を求める」ことは予定していないが、引き続き、各種会議等を通じ、各都道府県教育委員会、各学校等においてこれらの取組が着実に実施されるよう指導してまいりたい。

四について

 文部科学省においても、各都道府県教育委員会等に対し、「「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定及び「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定について(通知)」(平成二十九年三月十六日付け二十八文科初第千六百四十八号文部科学省初等中等教育局長、生涯学習政策局長及び高等教育局長連名通知)を発出し、平成二十九年三月に改定された国の基本方針を参酌し、地域及び学校の実情に応じた基本的な方針の策定や見直し等の必要な措置を速やかに講ずるよう求めているところであり、引き続き、各種会議等を通じ、各都道府県教育委員会、各学校等において必要な措置が講じられるよう指導してまいりたい。