質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第六二号

内閣参質一九八第六二号
  令和元年五月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員櫻井充君提出あはき法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員櫻井充君提出あはき法に関する質問に対する答弁書

一の1及び2について

 御指摘の「一般的に・・・二つに大別された施術を含む用語と理解されている」及び「広義・・・と狭義の医業類似行為」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、厚生労働省としては、「医業類似行為」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」ではないが、一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為であると解しており、それには、あん摩、マッサージ及び指圧、はり、きゅう並びに柔道整復のほか、これら以外の手技、温熱等による療術行為であって人体に危害を及ぼすおそれのあるものが含まれると考えているところである。

一の3から5まで、7及び8について

 御指摘の「あはき法第十二条における「医業類似行為」には・・・無資格者が行う施術のみが含まれる」、「あはき法第十二条における医業類似行為には・・・該当しないという認識は共通のものである」、「一般的な解釈」及び「国民の「医業類似行為」の理解に食い違いが生じる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号。以下「あはき法」という。)第一条の規定において「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない」とされていること、あはき法第十二条の規定において「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」とされていること、あはき法第十二条の二第一項の規定において「第一条に掲げるもの以外の医業類似行為」とされていること等から、これらの規定に規定されているものを含めたあはき法における「医業類似行為」自体には、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を持つ者が行うあん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうが含まれると解しているところである。また、一の1及び2についてで述べたとおり、同省としては、「医業類似行為」は、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」ではないが、一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為であると解しているところであり、それはお尋ねの「平成三年六月二十八日付の厚生省健康政策局医事課長通知「医業類似行為に対する取扱いについて」(医事第五八号)」における「医業類似行為」においても同様である。

一の6について

 お尋ねの「混同を招かないような施策」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

二の1及び3から5までについて

 お尋ねの「根拠となる法令」及び「罪刑法定主義の原則に反するおそれがある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、御指摘の「あはき法第十二条が憲法第二十二条に反するか否かが争われた昭和三十五年一月二十七日の最高裁判所大法廷判決」は、憲法第二十二条第一項が保障する職業選択の自由に鑑み、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第百二十号)第一条の規定による改正前のあん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法(昭和二十二年法律第二百十七号)が、同法第一条に掲げるものを除くほか、医業類似行為を業として行うことを禁止処罰することは、「人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならない」としたものと考えており、当該判決で示された内容を踏まえ、あはき法における「医業類似行為」は「人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局」されるものであると解しているところである。

二の2について

 御指摘の「公共の福祉に反する職業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、経済産業省は、あはき法を含む関係法令の遵守を前提として、リラクゼーション業を含む健康の保持及び増進に資する商品の生産若しくは販売又は役務の提供を行う産業の発達、改善及び調整に関する業務をつかさどっているものであり、リラクゼーション業に係るこれらの業務が立憲主義に反するとの御指摘は当たらないと考えている。

二の6について

 お尋ねの「人の健康に害を及ぼす虞」の有無については、行為の具体的な態様から総合的に判断されるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

二の7について

 御指摘の「誤った判決解釈から発した」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

二の8について

 お尋ねの「特例の対象となる者」の現在の数については、把握していない。