質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第五二号

内閣参質一九八第五二号
  令和元年五月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員石上俊雄君提出少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石上俊雄君提出少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、社会保障制度の持続可能性の確保及び財政の健全化を同時に達成するため、引き続き社会保障と税の一体改革を着実に進めてまいりたい。
 また、少子高齢化が急速に進展する中、雇用制度改革を進めるとともに、医療、年金等の社会保障制度全般にわたる改革を進め、子供・若者から高齢者まで誰もが安心できる全世代型社会保障を構築してまいりたい。

二について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「膨張する医療費の構造を抜本的に改革する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第八条において、厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化基本方針を定める等の取組を行うこととされており、また、同法第九条において、都道府県は、同基本方針に即して、当該都道府県が取り組むべき施策に関する事項等を都道府県医療費適正化計画において定めるものとされているところ、同基本方針においては、必要な施策として、特定健康診査及び特定保健指導の実施並びに生活習慣病の重症化予防の取組を含む住民の健康の保持の推進に係るもの、病床機能の分化及び連携並びに地域包括ケアシステムの構築、後発医薬品の使用促進並びに医薬品の適正使用の推進による医療の効率的な提供の推進に係るもの等が考えられるとしているところである。
 後段のお尋ねについては、御指摘の「健康増進や医療費の適正化に向けた取組みをより一層推進できる」「被用者保険の高齢者医療への拠出金が過大とならない仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、医療保険制度の持続可能性等の観点から、後期高齢者支援金等の拠出金負担の重い保険者等の負担軽減のための支援措置を講じているところである。

三について

 御指摘の「公的年金の財政基盤のより一層の充実等を通して、セーフティネット全般を抜本的に強化するべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、年金等の所得保障を厚くする観点から、これまでに被用者保険の適用拡大、年金の受給資格期間の短縮を実施してきたほか、本年十月から、年金生活者支援給付金の支給を実施することとしている。
 また、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十二号)附則第二条第二項において、「政府は、短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲について、平成三十一年九月三十日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる」とされており、政府としては、働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、年金等の所得保障を厚くする観点から、被用者保険の更なる適用拡大に向けた検討を進めているところである。