質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質一九八第六号
  平成三十一年二月八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出平成三十年一月分以降の毎月勤労統計調査を用いたアベノミクスの効果偽装に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出平成三十年一月分以降の毎月勤労統計調査を用いたアベノミクスの効果偽装に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「直接の報告」の意味するところが必ずしも明らかではないが、毎月勤労統計調査の結果速報及び結果確報(以下「結果速報等」という。)については、御指摘の「平成三十年六月分結果速報」(以下「六月分結果速報」という。)も含め、通常、その公表に際して、内閣総理大臣官邸に対し厚生労働省の担当部局より事務的に配布されている。その際、安倍内閣総理大臣に対しては、結果速報等の内容等についての報告等は行われていない。また、財務省においては、結果速報等については、六月分結果速報も含め、通常、その公表に際して、同省内の関係部局に事務的に配布されている。その際、麻生財務大臣に対しては、結果速報等の内容等についての報告等は行われていない。その上で、同内閣総理大臣及び同財務大臣が結果速報等の内容等を認識した時期は、特定できない。

三について

 お尋ねの「三・三%増という非常に高い伸び率が生じた原因」については、六月分結果速報には、「六月分の特別に支払われた給与には賞与が含まれており、賞与の支給時期は年により調査事業所により前後することがあるため、六月分の特別給与や現金給与総額は例年、変動が大きくなっています」と記載されているところである。

四について

 御指摘の「従前とは異なる統計処理のためであることを何ら国民に対して説明していなかった」ことについては、「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書」(平成三十一年一月二十二日毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会公表)によれば、当時の厚生労働省政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室長が「前任者から東京都の抽出調査を復元していなかったことの影響は大きくないと聞いていたことから、これを当該上振れの要因分析において考慮せず、結果として不正確な説明を行った」とされているが、事案の詳細について引き続き調査が進められているところである。
 いずれにせよ、日本労働組合総連合会の調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続していること等から、現時点において、所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はなく、「こうした安倍総理の姿勢はアベノミクスの効果を偽装するものである」との御指摘は当たらない。