質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第七九号

子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の提案理由として述べられた「幼児教育の重要性」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年六月二十六日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の提案理由として述べられた「幼児教育の重要性」に関する質問主意書

 第百九十八回国会で成立した子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の趣旨説明には、「生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性に鑑み、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図るという少子化対策の観点から、幼児教育・保育の無償化の取組を加速する」とあるが、幼児教育の重要性に鑑みて幼児教育・保育を無償化することの根拠が薄弱であると考え、以下質問する。

一 幼児教育に関しては、世帯所得に応じた応能負担によって、現行制度でも低所得世帯には、幼稚園、保育園、認定こども園などの施設の利用料の減免措置が講じられていることから、お金がないから幼児教育が受けられないという子どもは少なく、無償化によって新たに幼児教育を受けられるようになる子どもの数はわずかと思われる。現に、政府の資料により、三歳から五歳の子どものうち九十五%以上が幼稚園、保育園、認定こども園などの施設に通い、幼児教育を受けているということが示されている。
 こうした状況の中、幼児教育が重要だから無償化するというのは、論理の飛躍があるのではないか、政府の認識を明らかにされたい。

二 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の趣旨説明にある「生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育」とは、どのような内容のものか、具体例とともに明らかにされたい。

三 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性を謳うのであれば、九十五%以上の子ども達が通っている幼稚園、保育園、認定こども園などの施設における幼児教育・保育の質が確保されていることが重要である。現在、国内で行われている全ての幼児教育・保育は人格形成の基礎を培うのに足りる質のものなのか。また、政府として、現在行われている個々の施設における幼児教育・保育の内容について具体的にどのように把握しているか。さらに、政府は現在、全ての施設で質の高い幼児教育・保育が行われているという認識であるのか、明らかにされたい。

  右質問する。