質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第七七号

子ども・子育て支援法の一部を改正する法律と病児保育との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年六月二十六日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   子ども・子育て支援法の一部を改正する法律と病児保育との関係に関する質問主意書

 今般の子ども・子育て支援法の一部を改正する法律による幼児教育や保育の無償化では、病児保育事業の利用も無償化の対象となる。病児保育事業は、病気の子どものそばで看病したいが、どうしても仕事に行かなければならない保護者にとっては、大変有り難い存在である。病児保育事業の利用が無償化の対象となることで、子どもが病気のときでも経済的な負担を気にせずに済み、安心感をもって仕事を続けられる保護者もいると思われる。
 一方で、どのような場合に病児保育事業の利用が無償化の対象となるのかが、法文上明確とは言えないため、以下の通り質問する。

一 病児保育事業には、病児対応型、病後児対応型、体調不良児対応型、非施設型(訪問型)、送迎対応の各類型があるが、この全ての類型が無償化の対象となるのか。また、病児保育に要する費用のうち、無償化の対象とならない費用は何か。

二 病児保育事業の利用が無償になる対象者の要件を明らかにされたい。

三 認可保育所や認定こども園を利用している場合には、病児保育事業の利用が無償化の対象外となるのはなぜか。病児保育は恒常的に利用する事業ではなく、緊急時に利用する事業である。特段の要件を設けず、全ての利用者を無償化の対象とすることが妥当と考えるが、政府の見解如何。

四 〇歳から二歳の住民税非課税世帯の子どもであっても、認可保育所や認定こども園に通っている場合には、病児保育事業の利用は無償化の対象外となる。昨年三月の「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会」において、全国病児保育協議会が提出した資料における年齢別利用延べ人数のグラフでは、平成二十六年度において病児保育事業の利用者が最も多いのは一歳児の八万七千六百二十六人であり、次に利用者が多いのは二歳児の四万八千二百十一人であったことが示されている。
 一歳児の保護者が最も病児保育事業を必要としていることに鑑みれば、少なくとも〇歳から二歳の住民税非課税世帯の子どもが病児保育事業を利用する場合には、全て無償化の対象とするべきではないか。政府の認識を伺う。

五 今般の子ども・子育て支援法の一部を改正する法律により、無償化の対象となる子ども・子育て支援施設等の設置者・事業者である特定子ども・子育て支援提供者には、特定教育・保育施設の設置者と異なり、「保護者から利用の申込みを受けたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない」との責務が課されていない。
 少なくとも病児保育事業については、特定子ども・子育て支援提供者が正当な理由なく利用の申込みを拒むことがないよう、特定教育・保育施設の設置者と同様の責務を課す必要があるのではないか。政府の見解を伺う。

  右質問する。