質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第五八号

我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションの利活用による社会的課題の解決に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年五月十六日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションの利活用による社会的課題の解決に関する質問主意書

 我が国は、世界における「課題先進国」と呼ばれるほど、多種多様で深刻度の高い社会的課題を抱えている。例えば、少子高齢化は世界最速で進行しており、多くの分野で人手不足が深刻になっている。人手不足は特に、運輸業、サービス業、医療福祉、建設業等で顕著であり、自動運転やロボット、ドローン、センサー、人工知能、VR、AR、MR等の我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションを徹底的に利活用することでこの問題に対応することが検討されている。実際、最新技術の導入により「これまで見逃していた異常や予兆を捉えることができる」、「単位時間当たりの処理能力が人間と比べて桁外れ」、「省人化どころか無人化も可能」等、これまで得られなかった恩恵が社会や個人にもたらされるというメリットは計り知れない。
 同様に、我が国電機産業の技術やソリューションが解決に貢献できるテーマとして、今後の我が国のエネルギー計画をどうするのかという深刻な問題がある。我が国は現在、二〇三〇年に向けて温室効果ガスの排出量が少ない再生可能エネルギーや原子力エネルギーを利活用する目標を掲げているが、二〇一一年三月に発生した東日本大震災に伴い停止した原子力発電所の再稼働が進まないこともあり、火力発電への依存度が高まっている。しかし、我が国のエネルギー計画は、安全を前提とした上での「エネルギーの安定供給」、「経済効率性の向上」、「環境への適合」の同時達成、いわゆる「3E+S」の考え方を基本とした電源ベストミックスが基本であることに変わりはない。また、我が国のエネルギー計画には省エネ機器や再生可能エネルギーの普及促進、スマートコミュニティ関連や水素エネルギー等の新技術の開発・導入も中長期的に極めて効果的である。このように我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションの徹底的な利活用による社会的課題の解決が、今後より加速度的に国家的急務になると考え、以下のとおり質問する。

一 自動運転やロボット、ドローン、センサー、人工知能、VR、AR、MR等の我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションの利活用を促進し、人手不足等の社会的課題の解決に取組むべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 今後の我が国のエネルギー計画については、いわゆる「3E+S」の考え方を基本とした電源ベストミックスの実現と併せて、我が国電機産業が開発・保有する技術やソリューションの利活用を通して、徹底的な省エネルギーをより一層強力に推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。