質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第五六号

雇用形態にかかわらず、全ての労働者が安心・安定して働ける環境づくりの推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年五月十五日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   雇用形態にかかわらず、全ての労働者が安心・安定して働ける環境づくりの推進に関する質問主意書

 我が国における非正規雇用労働者の数は、二〇一四年に二千万人を超え、労働力人口全体の約四割を占めるに至っている。しかしながら、非正規雇用労働者を取り巻く環境には、雇用が不安定であることや、処遇が改善されにくいこと等の課題が少なくない。実際、非正規雇用労働者のうち有期契約労働者について、いわゆる「正社員への転換」促進が問題解決につながる場合も多いが、制度の利活用は必ずしも十分と言える状況にない。また、非正規雇用労働者の能力開発にも問題があり、キャリアアップのための研修や教育訓練の機会が正社員と比べると圧倒的に少ない。こうした諸々の現状を念頭に、雇用形態にかかわらず、全ての労働者が安心・安定して働ける環境づくりをより一層積極的に推進することが極めて重要と考え、以下のとおり質問する。

一 非正規雇用労働者の処遇改善を実現するため、正規雇用労働者との合理的理由のない処遇格差を禁止し、雇用形態にかかわらない均等待遇原則を法制化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 雇用形態にかかわらず、全ての労働者のキャリアアップのための研修や教育訓練に取組む企業への奨励施策の拡充等をより一層推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 派遣労働者について、二〇一五年の改正労働者派遣法施行後の運用状況を検証し、厳格な指導も含めた派遣労働者の保護の強化のために必要な措置を講じるとともに、派遣労働者への改正労働者派遣法の周知徹底をはかるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。