質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第五一号

我が国産業界の飛躍・発展を支える人材育成に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年五月九日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   我が国産業界の飛躍・発展を支える人材育成に関する質問主意書

 我が国産業界では今、世界で進展する第四次産業革命を牽引する革新的なテクノロジーを利活用した新しいビジネスを着想し、実際に起業して収益化まで実現できる、高い能力や強固な意志を持つ人材が求められており、こうした人材をどうすれば育成できるか、また、個々の能力をいかに最大限化できるか等について国を挙げての熱い議論が行われている。しかし、このような、いわば「世界で戦えるトップ人材」と言えるレベルに限らず、人材育成に向けた課題は山積みである。例えば、これまで人間が担ってきた仕事は今後、ロボットやAI等に代替され半減するとの予測もあり、新たに必要とされるスキルの習得、学び直し等を促進する環境の整備等が喫緊の課題となっている。また、ものづくりの現場では、次世代を担う若手が少ないという年齢構成の歪みの問題も抱えており、団塊世代が大量退職していく中、熟練者の技能・技術をどのように伝承すればいいか等についても解決を求められている。特に、技能・技術の伝承については、成果が出るまで数年を要することから、可能な限り早期の対応が必須である。「国づくりは人づくり」との言葉もあるように、我が国産業界の飛躍・発展を支える人材育成のための環境整備に向けた支援強化等が、激化するグローバル競争の中、国レベルで強く求められていると考え、以下のとおり質問する。

一 革新的なテクノロジーや新ビジネスモデルを創造し、それらを元に起業し、実際に収益化まで達成できる「世界で戦えるトップ人材」の育成に向けて、産(労使)・官・学(高等教育機関や職業訓練校等も含む)の枠組みで、より一層活発な議論を進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 これまで人間が担ってきた仕事は今後、ロボットやAI等に代替され半減するとの予測もあり、新たに必要とされるスキルの習得、学び直し等を促進する環境の整備等をより一層推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 ものづくりの現場の人材育成や若手のリクルート、熟練者の技能・技術のデータ化等をより一層推進し、熟練者から若手への技能・技術の伝承を強力に後押しするべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。