質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第一九号

在日米軍多摩サービス補助施設に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年二月二十一日

伊波 洋一   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   在日米軍多摩サービス補助施設に関する質問主意書

 在日米軍多摩サービス補助施設(以下「補助施設」という。)について、市街地に隣接する自然豊かな緑地であることなどから、東京都は政府に対し、直ちに米側から返還されるよう求めている。日米地位協定第二条3には、在日米軍施設・区域は「協定の目的のため必要でなくなつたときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」とあるが、在日米軍によって補助施設がどの程度利用されているのかを把握できる資料は公にされていないため、米側に返還を求めない政府の姿勢に疑念が生まれる状況となっている。
 また、補助施設内には、貴重な動植物や、旧日本軍の戦争遺構などが残されているとされ、返還後の開発計画に影響を及ぼすものと考えられるが、その実態も明らかにされていない。
 以上に関し、以下質問する。

一 政府は、補助施設の持つどのような役割が「協定の目的のため必要」と考えているのか示されたい。また、今後、米側に補助施設の返還を求める考えはあるか。

二 補助施設内のゴルフ場(多摩ヒルズゴルフコース)の開設以来の年次利用者数を示されたい。また、利用者のうち、日本人は何名か明らかにされたい。

三 補助施設全体もしくは補助施設内の多摩ヒルズゴルフコース以外の施設の開設以来の年次利用者数を示されたい。また、利用者のうち、日本人は何名か明らかにされたい。

四 平成二十年四月二十二日の参議院外交防衛委員会において、防衛省職員による在日米軍施設・区域内のゴルフ場の利用状況について問われた当時の石破防衛大臣は、平成十八年度の利用者数等を答弁している。その後、防衛省職員による在日米軍施設・区域内のゴルフ場の利用はあったか。あったのであれば、平成十九年度以降の防衛省職員の年次利用者数を、それぞれのゴルフ場が所在する在日米軍施設・区域ごとに示されたい。

五 政府は、補助施設内に残された旧日本軍の戦争遺構について、その存在を把握しているか。また、当該遺構をどのように保存していく方針か。

六 在日米軍横田基地作成の資料では、補助施設内には、国指定の絶滅危惧種が十一種、東京都指定の絶滅危惧種が七十一種存在していることが示されている。種の内訳について、政府が把握するところを明らかにされたい。

七 在日米軍横田基地作成の資料では、補助施設内において、平成九年に埋蔵文化財調査が実施され、縄文時代前期の土器が出土したことが示されている。その調査の内容について、政府が把握するところを明らかにされたい。また、当該埋蔵文化財をどのように保存していく方針か。

  右質問する。