質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

日露戦争に関する明治天皇の御製を引用した安倍総理の施政方針演説が憲法に反することに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年一月三十一日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日露戦争に関する明治天皇の御製を引用した安倍総理の施政方針演説が憲法に反することに関する質問主意書

一 安倍総理は、平成三十一年一月二十八日の参議院本会議における内閣総理大臣施政方針演説において、明治天皇の御製である「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」との歌を引用している。この歌は、明治天皇が日露戦争に際して詠んだものとされているが、安倍総理はこの歌が詠まれた由来をどのように理解し、かつ、この歌が第二次世界大戦以前の日本社会においてどのような意味のものとして論評等されるとともに社会において受け止められてきたと理解しているのか。

二 前記一について、明治天皇の御製である「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」との歌は日露戦争の戦意高揚のために詠まれたものであるとの見解があるが、こうした見解について安倍総理はどのような認識にあるのか。

三 日露戦争は、日本が朝鮮半島や中国大陸の覇権をロシアと争った戦争であるが、その戦争に際して大日本帝国憲法下の天皇が詠んだ歌を施政方針演説に用いて、「激動する国際情勢」などに「立ち向か」い、「共に力を合わせ」ようと国会及び国民に呼び掛けることは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めた憲法第九条の理念に反するとともに、「日本国民は、(中略)政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と定めた憲法前文の平和主義及び国民主権の理念に反する暴挙ではないか。

四 前記三について、安倍総理は、日本国憲法の平和主義及び国民主権の理念を根底から否定する施政方針演説を行ったのであり、即刻総理辞職をすべきであると考えるが、安倍内閣の見解を示されたい。

  右質問する。