質問主意書

第197回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四八号

内閣参質一九七第四八号
  平成三十年十二月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出日EU・EPAの締結と国益の検証に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出日EU・EPAの締結と国益の検証に関する質問に対する答弁書

一について

 英国の欧州連合(以下「EU」という。)からの離脱の影響を含んだ経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(以下「日EU・EPA」という。)の経済効果については、英国とEUとの間の離脱交渉の結果として、将来いかなる関係が両者間に構築されるか予断できないことから、当該影響を現時点で客観的に予測する形で経済効果の分析を改めて行うことは困難である。このため、それを踏まえた経済対策や企業支援を検討することは困難である。

二について

 お尋ねの日EU・EPAの発効によるEU企業と日本企業それぞれの関税負担の減少額については、平成三十年二月に公表した「日EU・EPA等に係る関税収入減少額及び関税支払減少額の試算について」において、輸出入の実績が将来にわたって一定等の仮定の下、機械的に試算を行った結果、我が国の関税収入減少額は、初年度で七百五十億円、日EU・EPAによる関税率の引下げ等が全て終了する最終年度で千三百二十億円となる一方、我が国からEUへの関税支払減少額は、初年で千四百七十三億円、最終年で二千八百八億円となっている。

三について

 お尋ねの「安全注釈」の規定の撤廃については、日本国とEUとの間での政府調達分野における市場アクセスに関する交渉の結果合意したものである。

四について

 お尋ねの我が国の鉄道の安全・安心の確保について、日EU・EPAは、我が国国内において鉄道輸送の安全を確保するために必要な基準を何ら変更するものではない。

五について

 お尋ねの「当該企業等」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。なお、政府としては、日EU・EPAにより国際競争入札の実施が義務付けられることとなる調達機関が、鉄道の運送における運転上の安全に関連する物品及びサービスの調達契約に係る国際競争入札の実施に必要な事項を定めるに際し、支援を行っているところである。