質問主意書

第197回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四七号

内閣参質一九七第四七号
  平成三十年十二月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出日EU・EPAにおける継続協議事項や見直し規定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出日EU・EPAにおける継続協議事項や見直し規定に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(以下「本協定」という。)第二・八条3及び4の規定は、一定の条件の下で特定の品目に分類される締約国の原産品の取扱いについて見直しを行うことを日本国と欧州連合との間での交渉の結果合意したものである。また、これらの規定は、見直しを義務付けるものであるが、その結果は、予断されていない。

二について

 御指摘の本協定第二・十九条の規定は、この協定の効力発生の日から十年後に又は締約国の要請があった場合には、産品に対する非関税措置から生ずる問題がこの協定の枠内で効果的に対処され得るかどうかについて評価すること等を日本国と欧州連合との間で合意したものであるが、本協定発効後に同条の規定に基づいて欧州連合が非関税措置についていかなる問題を提起するかについて、政府として予断することはできないことから、お答えすることは困難である。いずれにせよ、同条の規定に基づく評価等の結果は、予断されていない。

三から五までについて

 本協定においては、早期に交渉全体を妥結させるため、投資保護規律及び投資紛争解決手続は規定せず、投資自由化規律を規定することに日本国と欧州連合との間で合意した。中立的な国際投資仲裁に紛争を付託できる選択肢を投資家に与える投資家と国との間の投資紛争解決手続(以下「ISDS制度」という。)と欧州連合が提唱している常設投資裁判所との間には、仲裁人又は裁判官の選任手続や上訴審を認めるか否か等について違いがあると承知しているが、我が国としては、ISDS制度が、投資家にとって海外の投資先の国におけるビジネスへのリスクを軽減できるツールであり、海外投資を行う日本企業を保護する上で有効な制度であると考えている。本協定の交渉及び現在行われている日本国と欧州連合との間の投資交渉における我が国の具体的立場等についてお答えすることは差し控えるが、我が国としては、日本国と欧州連合との間の経済関係に照らし、いかなる投資保護等の仕組みが適当かという観点から、できる限り早期の妥結を目指し、引き続き精力的に協議を継続していく考えである。