質問主意書

第197回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

ポンペオ国務長官と金委員長との会談に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年十月二十四日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   ポンペオ国務長官と金委員長との会談に関する質問主意書

 平成三十年十月七日、ポンペオ米国国務長官は北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談(以下「この会談」とする)しました。この会談について、拉致問題に関連して質問します。

一 この会談において、ポンペオ国務長官が拉致問題を取り上げたところ、金委員長から返答がなかったことを米朝関係筋が明らかにしています。政府は、金委員長から拉致問題についての返答がなかったことをどのように受け止めていますか。

二 政府は、これまでに金委員長と会談した文韓国大統領、トランプ米国大統領に対し、拉致問題についての日本側の意向を金委員長に伝達するよう要請してきました。しかし、北朝鮮側は「拉致問題はすでに解決済み」とする従来の見解を繰り返すばかりで、拉致問題の解決の糸口とはなっていません。日朝間の問題である拉致問題の解決を他国に依存する政府の姿勢は、主権国家として適切とお考えですか。

三 この会談において、北朝鮮側は、当面の間、日朝首脳会談に応じる考えはないとの姿勢を崩していません。この局面を打開するため、政府はこれまでの方針(平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」)を緩和若しくは変更するお考えはお持ちですか。

四 安倍首相は、北朝鮮と国交正常化交渉を行う用意があることを繰り返し言明しています。政府は、国交正常化交渉の前提として拉致問題の解決を位置付けているのですか。拉致問題が解決しない限り国交正常化交渉には入らないとの政府の姿勢は、これからも堅持していくお考えですか。

五 北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題に関するこれまでの言動は、明らかに日朝平壌宣言並びに日朝ストックホルム合意に違反しているものと考えます。北朝鮮の言動に対する政府の認識と併せて、これら二つの合意を日本側から破棄するお考えはお持ちなのかをお伺いします。

  右質問する。