質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七九号

内閣参質一九六第一七九号
  平成三十年七月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院副議長 郡司 彰 殿

参議院議員藤末健三君提出大学などの高等教育無償化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出大学などの高等教育無償化に関する質問に対する答弁書

一について

 「経済財政運営と改革の基本方針二〇一八」(平成三十年六月十五日閣議決定。以下「基本方針」という。)においては、「真に支援が必要な、所得が低い家庭の子供たちに限って、大学などの高等教育無償化を実現する。住民税非課税世帯の子供たちについて、授業料の減免措置を拡充するとともに、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう、給付型奨学金を拡充する。」とした上で、「これに準ずる世帯の子供たちについても、支援の崖が生じないよう、必要な支援を段階的に行う。」とし、御指摘の「住民税非課税世帯(年収二百七十万円未満)」に準じる世帯を「年収三百万円未満の世帯」及び「年収三百万円から三百八十万円未満の世帯」に区分して、それぞれの世帯の子供たちについて「住民税非課税世帯の子供たちに対する支援措置に準じた支援を段階的に行う。」としているところである。具体的には、基本方針において、「年収三百万円未満の世帯については住民税非課税世帯の子供たちに対する授業料減免及び給付型奨学金の三分の二、年収三百万円から年収三百八十万円未満の世帯については三分の一の額の支援を行い、給付額の段差をなだらかにする。」としているところである。

二及び三について

 お尋ねの「国の予算措置の対象となっている学生」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成三十年度予算の積算上、授業料減免の支援の対象となる学生の人数は、国立大学については約六万五千人、私立の大学、短期大学及び高等専門学校については約七万千人である。国立高等専門学校並びに公立の大学、短期大学及び高等専門学校については、右に述べたような予算積算上の対象人数を算出しておらず、お答えすることは困難である。また、御指摘の「基本方針二〇一八で実施するとされた大学等の授業料減免措置」については、今後、制度の詳細を検討していくこととしており、現時点において、お尋ねの当該措置の「対象となる学生」の「人数」及び「平成三十二年度に追加的に必要となる予算額」等について、お答えすることは困難である。さらに、お尋ねの「全体に占める割合」については、その意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
 御指摘の「高等教育の無償化」については、平成三十一年十月に予定されている消費税率十パーセントへの引上げに係る引上げ分の消費税収を安定的な財源として確保して実施することとしている。

四について

 各大学等が現在実施している授業料減免の在り方については、今後、各大学等において、御指摘の「高等教育の無償化」を踏まえ、検討が行われるものと考えている。

五について

 基本方針においては、御指摘の「給付型奨学金」について、「住民税非課税世帯の子供たちを対象に、学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう措置を講じることとする。対象経費は、他の学生との公平性の観点を踏まえ、社会通念上妥当なものとする」としている。

六について

 お尋ねの「出世払い方式」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「中間所得層における大学等へのアクセスの機会均等」については検討を継続しているところであり、その検討の具体的内容について、現時点において、お答えすることは困難である。