質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七八号

内閣参質一九六第一七八号
  平成三十年七月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院副議長 郡司 彰 殿

参議院議員藤末健三君提出地方公共団体における障害者就労施設等からの調達実績に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出地方公共団体における障害者就労施設等からの調達実績に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「障害者の工賃」については、様々な要因が影響すると考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(平成二十四年法律第五十号。以下「法」という。)が施行された平成二十五年四月一日以降、御指摘の「就労継続支援B型事業所」(以下「B型事業所」という。)が提供する障害福祉サービスを利用する障害者に支払われる工賃の月額の平均(以下「平均月額工賃」という。)については、平成二十四年度に一万四千百九十円であったのに対し、平成二十八年度には一万五千二百九十五円に増加しており、法の規定に基づく国等の取組は、一定の意義があったものと考えている。

二について

 御指摘の「地方公共団体間の調達実績」に「大きな差が生じている」原因については必ずしも明らかではないが、例えば、B型事業所の数が多い都道府県においては、当該都道府県の区域内の市町村による障害者就労施設等(法第二条第四項に規定する障害者就労施設等をいう。以下同じ。)からの物品等の調達の実績額の合計が比較的高い傾向にあり、地域におけるB型事業所の数がお尋ねの「原因」の一つとなっている可能性があると考えている。

三について

 地方公共団体による障害者就労施設等からの物品等の調達の実績(以下「調達実績」という。)については、平成二十八年度分までは各都道府県による調達実績の額のみを公表していたが、平成二十九年度分については、各市町村による調達実績の額も公表することを予定しているところであり、障害者就労施設等からの物品等の調達が増加するよう、地方公共団体に対して更なる働きかけを行ってまいりたい。

四について

 お尋ねの「更なる支援策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「共同受注窓口サイト」(以下「全国版サイト」という。)は、平成二十八年四月に特定非営利活動法人日本セルプセンターが、B型事業所等が供給する物品等に関する情報の発信等を行うことでB型事業所等を利用する障害者の工賃水準の向上を図ること等を目的とする厚生労働省の「共同受注窓口による発注促進支援事業」による予算補助を受けて開設したものであり、全国版サイトが関与する調達実績の額の動向等については把握しておらず、また、一についてでお答えしたとおり、「障害者の工賃」については、様々な要因が影響すると考えられるが、全国版サイトが開設された同月以降の平均月額工賃については、平成二十七年度に一万五千三十三円であったのに対し、平成二十八年度には一万五千二百九十五円に増加しており、全国版サイトによる取組は、一定の意義があったものと考えている。いずれにせよ、今後も引き続き、特定非営利活動法人日本セルプセンター等の関係機関と連携して、B型事業所等が提供する障害福祉サービスを利用する障害者の工賃水準の向上に向けた取組を進めてまいりたい。