質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五六号

内閣参質一九六第一五六号
  平成三十年七月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出労働者の立場に立った「働き方改革」推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出労働者の立場に立った「働き方改革」推進に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「世界一働きやすい」がどのような状態を指すのか必ずしも明らかではないが、お尋ねの「「働き方改革」の目指すべき方向性」については、働き方改革実行計画(平成二十九年三月二十八日働き方改革実現会議決定)において、「改革の目指すところは、働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにすること」とされており、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成三十年法律第七十一号。以下「働き方改革推進法」という。)による改正内容は、その実現に資するものであると考えている。

二について

 働き方改革推進法による改正後の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第十条の二の規定は、厚生労働省のみでは実現が困難な取組を念頭に置いて、同法第十条に基づく労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)に定められた施策について、その円滑な実施を図るため、関係行政機関の取組をより確かなものとする趣旨により規定されたものである。御指摘の「要請」により、関係行政機関の取組が義務付けられるものではないが、基本方針は閣議決定されたものであり、要請を受けた関係行政機関において、基本方針に沿った適切な対応がなされるものと考えている。

三について

 お尋ねについては、平成三十年六月二十八日の参議院厚生労働委員会において、加藤厚生労働大臣が、全国に設置する働き方改革推進支援センターを中心に、働き方改革推進法の趣旨及び内容の理解の促進並びに中小企業等における好事例や各種支援策の周知を図るとともに、労働基準監督署における専門の労働時間相談・支援班の設置を通じたきめ細かな相談支援に取り組む旨答弁しているとおりである。

四について

 お尋ねについては、平成三十年六月五日の参議院厚生労働委員会において、山越厚生労働省労働基準局長が、働き方改革推進法による改正後の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第七項に基づく指針に関して行政官庁が中小企業に対して助言及び指導を行うときには、中小企業が抱える、労務管理体制が弱い、人材確保が困難である、取引関係において弱い立場になりやすいといった事情を踏まえて、時間外労働を可能な限り短くするための具体的な改善方法を提示して丁寧に助言及び指導を行うことを示したものである旨答弁しているとおりである。

五について

 お尋ねについては、平成三十年六月二十六日の参議院厚生労働委員会において、山越厚生労働省労働基準局長が、長時間労働の是正と併せて時間当たりの生産性を高めることで、働く方がその成果に見合った賃金をもらえるようにすることが重要であると考えており、自社の長時間労働を抑制し、効率よく働いた成果を評価して、働く方に還元するといった取組の好事例を周知することや、中小企業等に対する生産性向上の支援に取り組む旨答弁しているとおりである。