質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四九号

内閣参質一九六第一四九号
  平成三十年六月二十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員大野元裕君提出「他国の武力の行使との一体化」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大野元裕君提出「他国の武力の行使との一体化」に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 他国の武力の行使に関連する我が国の活動が、当該他国の武力の行使と一体化するかどうかについては、一般に、我が国の活動の具体的内容等諸般の事情を総合的に勘案し、個別に判断すべきものと考えており、お尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。

三及び四について

 お尋ねの「米軍が日々作成する戦闘作戦行動計画に定められた地域」及び「戦闘行為への着手と見なされる場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「戦闘活動が行われている、又は行われようとしている地点」とは、戦闘行為、すなわち、国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し、若しくは物を破壊する行為が現に行われている、又は付近の状況等に照らして当該行為が行われることが予測される場所を意味している。

五について

 政府としては、現に戦闘行為が行われている現場以外で行われる後方支援活動等は、他国による武力の行使と一体化するものではないと考えているが、現に戦闘行為が行われている現場がどの程度の範囲になるかについては、個別の状況に応じて判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難である。
 その上で、後方支援活動等の実施に際しては、自衛隊の部隊等が不測の事態に遭遇することのないよう、戦闘行為の発生状況、支援対象である外国軍隊等の展開状況等について考慮し、現に戦闘行為が行われておらず、自衛隊の部隊等が現実に後方支援活動等を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域として指定することとなる。

六について

 お尋ねの「当該他国の戦闘機が第三国に対する攻撃の意思を明示している場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一及び二についてで述べたとおり、他国の武力の行使に関連する我が国の活動が、当該他国の武力の行使と一体化するかどうかについては、一般に、我が国の活動の具体的内容等諸般の事情を総合的に勘案し、個別に判断すべきものと考えている。
 その上で、政府としては、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備については、実際に戦闘行為が行われる場所とは一線を画する場所で行うものであること、支援活動の具体的内容が給油及び整備であり、戦闘行為とは異質の活動であること、自衛隊の部隊等は他国の軍隊の指揮命令を受けるものではなく、我が国の法令に従い自らの判断で活動するものであること、支援する相手方の活動の現況は、あくまで発進に向けた準備中であり、現に戦闘行為を行っているものではないこと等の考慮事情を総合的に勘案すれば、「他国の武力の行使と一体化」するものではないと考えている。