質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇五号

内閣参質一九六第一〇五号
  平成三十年五月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員川田龍平君提出医療経済研究機構が厚生労働省より受託した「薬剤使用状況等に関する調査研究」によって指摘されたバイオシミラーの諸外国の使用状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出医療経済研究機構が厚生労働省より受託した「薬剤使用状況等に関する調査研究」によって指摘されたバイオシミラーの諸外国の使用状況に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 御指摘の「バイオシミラー」(以下単に「バイオシミラー」という。)は、既に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第十四条又は第十九条の二の規定による厚生労働大臣の承認(以下「承認」という。)を受けた医薬品のうちバイオテクノロジーを応用して製造したもの(以下「先行バイオ医薬品」という。)と、品質、有効性及び安全性(以下「品質等」という。)が同等又は同質であるものとして承認を受けた医薬品であるところ、バイオシミラーは、先行バイオ医薬品に比べ価格が低く、その使用により患者の自己負担の軽減及び医療保険財政の改善に資するものであるため、バイオシミラーの品質等に関する情報提供を通じて、医療従事者及び国民の理解を得ながら、その普及を図ることとしているところである。

四について

 政府としてもバイオシミラーの品質等に懸念を有する医療従事者が存在することは把握しており、このため、医療従事者に対してバイオシミラーの品質等に関する情報提供を行うこととしているところである。

五について

 米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)が、御指摘の「セルトリオン社」の製造所に対する査察等を行った上で、平成三十年一月二十六日に御指摘の「警告状」を同社に対して発行したことは承知しているが、現時点においては、市場に流通している同社の製品の出荷停止及び回収までを求めているものではないと承知している。
 他方、お尋ねの「現在、我が国で上市されている同社からの導出品である薬剤」に関しては、FDAによる同社の製造所に対する査察等を踏まえ、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が、同社の製造所に対して法第七十五条の四第一項第二号の規定による検査を実施し、特に問題としなければならない事項はないと判断したところである。

六について

 政府としては、御指摘のような「バイオシミラーの製造が国内で実施されていない実態」があるとは認識していないが、いずれにせよ、医薬品産業の国際競争力を強化する観点から、バイオシミラーを含むバイオテクノロジーを応用して製造した医薬品の製造技術の開発支援を行っているところである。