質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第九一号

内閣参質一九六第九一号
  平成三十年五月十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出内閣による衆議院の解散権の行使と法の支配及び立憲主義との関係等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出内閣による衆議院の解散権の行使と法の支配及び立憲主義との関係等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「法的な関係」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法の支配とは、人権の保障と恣意的権力の抑制とを主旨として、全ての権力に対する法の優越を認める考え方であり、立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づき、憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方であると理解している。

二から七までについて

 お尋ねの「法的な制約」、「何らかの制約」及び「何の制約」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、仮定の質問にお答えすることはできないが、衆議院の解散は憲法第七条の規定により天皇の国事に関する行為とされているところ、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であり、内閣が衆議院の解散を決定することについて憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものと考えている。この衆議院の解散権は、内閣が、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるというような場合に、国民に訴えて、その判定を求めることを狙いとし、また、立法府と行政府の均衡を保つ見地から、憲法が行政府に与えた国政上の重要な権能であり、その行使が、法の支配又は立憲主義との関係で問題があるとは考えていない。