質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一九六号

全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月十九日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書

 昨年提出した、「全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第一二二号)に対する答弁書(内閣参質一九三第一二二号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に向けた取組みを踏まえ、以下のとおり質問する。

一 法定最低賃金の遵守と特定最低賃金の積極的活用等について

1 最低賃金審議会における特定(産業別)最低賃金の改正審議が、当該産業の労使のイニシアティブ発揮により行われるよう、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の役割の違い等について、関係者に対して、特に審議会委員の交代時期に周知するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 最低賃金及び最低工賃の遵守にかかる実効性確保の観点から、事業主に対する監督・指導を強化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
3 地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の改正状況について、各自治体の広報誌やホームページに掲載する等、労働者及び事業主への周知を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
4 「業務改善助成金」を活用しやすくするために、助成事例に加え、毎年の実績(引き上げ額や件数等)や制度の変更点等の周知を事業主に対して行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 有期契約労働者の雇用の安定・労働条件の向上に向けた支援の充実について

1 二〇一八年四月より本格化している労働契約法第十八条に基づく有期契約労働者の無期転換が円滑に行われるよう、職場実態を把握した上で、企業及び対象者へのルールの周知や企業支援を徹底するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 有期契約労働者やパートタイム労働者の労働条件について、労働契約法第三条の労働契約の原則及び同法第二十条の期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)第八条の短時間労働者の待遇の原則及び同法第九条の通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止に沿って対応することを事業主に指導するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 派遣労働者・請負業務従事者の雇用の安定・労働条件の向上に向けた支援の充実について

1 派遣先事業主に対しては、今後本格化する、派遣可能期間を延長して派遣労働者を受入れる場合の過半数労働組合等からの意見聴取を確実に行うよう周知・徹底するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 派遣元事業主に対しては、個人単位の期間制限の上限を超え、本人が就業の継続を希望した場合の雇用安定措置を確実に行うよう周知・徹底するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
3 派遣可能期間制限を延長して派遣労働者を受入れる場合の過半数労働組合等からの意見聴取の仕組みをより効果的に機能させるため、また、職場における法令遵守等の徹底を図るため、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の十五(3)イにおいて派遣先事業主が求められている過半数労働組合等の意見尊重の努力義務を、法律に基づく意見尊重義務とする必要があるのではないかと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。