質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一七五号

我が国が直面するエネルギー問題への対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月十二日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   我が国が直面するエネルギー問題への対応に関する質問主意書

 昨年提出した、「我が国が直面するエネルギー問題への対応に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第一四〇号)に対する答弁書(内閣参質一九三第一四〇号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の我が国が直面するエネルギー問題への対応を踏まえ、以下のとおり質問する。

一 徹底した省エネ推進と再生可能エネルギー普及促進について

1 複数種類の再生可能エネルギー源を組合せた分散型エネルギーシステムの構築に対する支援を強化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 固定価格買取制度(FIT)について、今後とも国民負担とのバランスを考慮しつつ、継続的に点検・見直しを行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
3 固定買取価格の保証期間が終了した後でも家庭用・産業用太陽光発電設備が継続的に活用されるための仕組みづくりを進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
4 地熱発電・風力発電・中小規模水力発電について、普及拡大のための国の支援をより一層強化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
5 蓄電池、エネファーム等自家発電システム、トップランナーモーター等の高効率・省エネ機器等の家庭や事業場への導入支援を強力に推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
6 省エネ効果の高いエアコン、冷蔵庫、LED照明等の家電機器等について、その普及をより一層強力に推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
7 水素エネルギー開発の支援を強化するとともに、東京オリンピック・パラリンピックの開催される二〇二〇年に向けて、水素エネルギー関連設備の社会への普及を着実に実現し、環境負荷の低い水素社会の可能性を積極的に発信するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
8 国際レベルで急速に進む自動車EV化の波に対応し、次世代電池やモーター等の研究開発等を国として支援するとともに、国内充電インフラの整備拡大等の支援をより一層加速するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 原子力発電に関する課題への対応について

1 原子力発電に関しては、安全性確保を最優先し、地元の理解を得つつ、安全基準を満たした発電所を再稼働させる方向性の下に、社会全体に対して、安全対策、エネルギー安全保障、経済的コスト、地球温暖化対策等への寄与について今後も説明を尽くし、懸念の払拭により一層取組むべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 原子力発電所の再稼働については、現在行われている安全審査を着実に進めるとともに、これまでの経験・実績を踏まえ、審査手順や評価方法の効率化をより一層進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
3 原子力発電所から発生する放射性廃棄物の処理処分事業の推進にあたり、経済産業省が昨年七月に公表した「科学的特性マップ」は最終処分の候補地を決定するものではない旨周知するなど、その取扱いには細心の注意を払うべきであり、最終処分の候補地の選定は、長期的な視点に立って地域住民との対話を重ね、強固な信頼関係を構築することを最優先とするべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
4 原子力発電所の廃炉後は、その送電網を活かしたエネルギー産業の誘致等、廃炉が地元経済に与える影響への対応策をしっかりと講じるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
5 原子炉の安全性向上や廃炉のための研究開発を国として継続するために、人材の確保・養成が極めて重要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。