質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一六〇号

同一労働同一賃金の実効性の向上に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年六月二十九日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   同一労働同一賃金の実効性の向上に関する質問主意書

 政府は、企業における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の実効ある是正を図るため、同一労働同一賃金政策により、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保を図ることとしている。
 同一労働同一賃金政策の実効性の向上に関し、以下の通り質問する。

一 同一労働同一賃金に関する民事訴訟を提起された場合の立証責任について、厚生労働省は、労使双方が主張立証して裁判官が判断するものであるとしている。そもそも、雇用形態を理由とする合理性のない不利益取扱いは許されるべきではない。そこで、労働者と使用者の力関係による各労働者の労働条件や人事管理に関する情報の偏在を解消し、法律の実効性を高めるため、雇用形態間の待遇差の合理性の立証責任は使用者が負うものとするのが適切ではないか。雇用形態間の待遇差の合理性に係る立証責任の在り方に関する政府の見解を明らかにされたい。

二 平成二十九年四月一日から、「キャリアアップ助成金」に「諸手当制度共通化コース」が設けられた。この助成金の新設に当たっては、平成二十九年度予算において約一億円が計上され、当該コースの助成金の支給の対象となる事業所は二百五十か所と見込まれていた。しかるに、当該コースの助成金の支給申請件数は、平成二十九年十月三十一日現在で一件であった。このように利用件数が低調である原因をどのように分析しているか。

三 「キャリアアップ助成金」の枠組みの中に「諸手当制度共通化コース」を設けるという制度の立て付け自体が、わかりにくさを生み、利用件数が低調である原因となっているのではないかと考える。当該コースは「キャリアアップ助成金」から分離し、新たに「同一労働同一賃金実現のための諸手当制度共通化助成金」として、利用件数の向上を図るべきではないか。

  右質問する。