質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一五五号

育児用粉ミルクに関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年六月二十八日

伊藤 孝恵   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   育児用粉ミルクに関する再質問主意書

一 私が提出した「育児用粉ミルクに関する質問主意書」(第百九十六回国会質問第一八号)の三及び四において、育児用粉ミルクの原材料に食用パーム油及びカノーラ菜種油を使用することの安全性について質問した。これに対して政府は、答弁書(内閣参質一九六第一八号)の「三及び四について」で「人の健康への有害な影響に係る科学的な知見は十分に得られておらず、現時点で人の健康に影響を及ぼす懸念は少ないものと考えている」と答弁した。

1 3-MCPDの耐容一日摂取量(TDI)は、動物実験で得られた作用を示さない無毒性量に、種差、個体差に伴う不確定係数を乗じること等により求めるのが常法であるが、同答弁は、これと同様の方法でカノーラ菜種油のTDIを求め無毒性量の評価をしたうえで、「人の健康に及ぼす懸念は少ない」と答弁しているのか明らかにされたい。
2 カノーラ菜種油、オリーブ油、コーン油、食用パーム油、部分水素添加大豆油などの安全性の面で疑義のある油脂については、TDIを油種別に把握するべきではないか。政府の見解如何。
3 牛乳に含まれるステロイドホルモン(硫酸エストロンという女性ホルモン)や、バターに含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)についても、前記一の1と同様の方法でTDIを求め、人の健康に害はないことを示すべきでないか。

二 育児用粉ミルクには、かつては練乳、粉乳、調製粉乳など、乳脂肪が主に使われてきたが、その後、母乳に脂質成分を近づけるため、乳脂肪の一部を植物性脂肪に換え、必須脂肪酸(リノール酸)の供給源として、高リノール酸植物油(大豆油、紅花油)が加えられるようになった。ところが、現在の育児用粉ミルクの脂質成分の主原料には、食用パーム油、食用パーム核油が広く使われている。食用パーム油は3-MCPDが高含量であるほか、動物実験で有害作用を示すことが報告されているが、育児用粉ミルクの脂質の主原料が乳脂肪から食用パーム油に置換わった経緯について政府が承知するところを明らかにされたい。

  右質問する。