質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一五四号

牛乳に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年六月二十八日

伊藤 孝恵   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   牛乳に関する再質問主意書

 私が提出した「牛乳に関する質問主意書」(第百九十六回国会質問第一七号)に対する答弁(内閣参質一九六第一七号)において、政府は「牛乳については、我が国において長年の食経験があり、通常摂取される量の範囲内においては、その中に通常含まれている性ホルモンによる健康リスクは想定されないと考えて」いるとしているが、厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告書」等において、戦後約七十年にわたる一人一日あたりの栄養素等摂取量の推移を見ると、乳類と脂質の摂取量の増加がきわだっていることが確認できる。糖質の摂取量は大幅に減少し、総エネルギーの摂取量が減少傾向にある中で、乳類の摂取量の増加は注目すべき点である。また、厚生労働省の「人口動態統計」では心疾患及び癌を死因とする死亡率が増加傾向にあることが確認されるが、この統計は、スウェーデンにおける牛乳の摂取量と死亡率に関する大規模調査の結果(Miche¨lsson K et al. BMJ 2014;349:g6015)で示された、牛乳の摂取量と心疾患及び癌との相関関係と同じ傾向を示している。
 牛乳中のステロイドホルモンの有害作用が注目されているが、我が国においても、牛乳の摂取量と死亡率の関係について、前記スウェーデンの調査で行われたような経年調査を行うべきではないか。また、3-MCPDの耐容一日摂取量(TDI)は動物実験で得られた作用を示さない無毒性量に、種差、個体差に伴う不確定係数を乗じること等により求めるのが常法であるが、これと同様の方法で牛乳中のステロイドホルモンのTDIを求めることにより、現在の日本人の牛乳の摂取量が心血管病、癌、骨折等の発生に影響を与える健康リスクの有無を科学的に明らかにし、健康リスクはないと判断するべきではないかと考えるが政府の見解如何。

  右質問する。