質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇〇号

自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が武力行使との一体化等となり憲法違反となることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年五月一日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が武力行使との一体化等となり憲法違反となることに関する質問主意書

一 安保法制の施行以来、自衛隊が他国の軍隊の武器等を防護したことがあるのかについて示されたい。防護したことがある場合は、その具体的内容を明らかにされたい。

二 政府は、自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が、「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」との要件が法定されていることなどから、憲法第九条第一項で禁止された「武力の行使」には当たらず、かつ、当該他国との「武力行使の一体化」も生じないとしているが、現に戦闘行為が行われている現場以外の場所であっても、当該他国と戦闘を行っている相手国からすれば、当該他国の軍隊の武器等を防護する自衛隊は敵国あるいは敵性国の軍事組織とみなされてしまうものであり、その結果、自衛隊が防護の措置を講じる対象が「武力攻撃に至らない侵害」であろうとなかろうと、自衛隊が当該他国の軍隊の武器等を防護したことを契機として、当該相手国による自衛隊を始めとする我が国に対する武力攻撃あるいは武力行使の発動を招く危険があるのではないか。そうした危険が一切ないと政府が考える場合は、その理由を具体的に示されたい。

三 前記二について、「当該相手国による自衛隊を始めとする我が国に対する武力攻撃あるいは武力行使の発動を招く危険がある」と政府が認識する場合は、自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護は憲法に違反するものとなるのではないか。

四 自衛隊による他国の軍隊の武器等の防護が「極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為」であるとする政府の見解は、当該防護行動が憲法に適合するか否かの判断に何か影響があるものなのか。

  右質問する。