第196回国会(常会)
質問第九八号 戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備並びに弾薬の提供が他国の武力行使との一体化そのものであり憲法違反であることに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成三十年五月一日 小西 洋之
参議院議長 伊達 忠一 殿 戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備並びに弾薬の提供が他国の武力行使との一体化そのものであり憲法違反であることに関する質問主意書 一 政府は、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備が他国の武力行使と一体化しない理由の一つとして、「地理的関係について申し上げれば、実際に戦闘行為が行われる場所とは一線を画する場所で行うものである」としているが、当該他国の戦闘の相手国である外国からすれば、地理的な距離は本質的な問題ではなく、当該給油及び整備によって戦闘行為を行う航空機が飛来してくる訳であるから、当該外国の立場からすれば当該給油及び整備は当該他国の武力行使と一体化する行為そのものになるのではないか。当該他国の武力行使と一体化しないと考える場合は、その理由を具体的に示されたい。 二 政府は、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備が他国の武力行使と一体化しない理由の一つとして、「支援活動の具体的内容としては、船舶、車両に対するものと同様の活動であり、戦闘行為それ自体とは明確に区別することができる活動であること」としているが、当該他国の戦闘の相手国である外国からすれば、戦闘行為で飛来してくる航空機への給油及び整備を戦闘行為と明確に区別する必要性や合理性は存在するのか。存在すると考える場合は、その内容について示されたい。また、こうした「区別」は安倍内閣の独断と偏見に過ぎず、当該相手国の立場からすれば、当該給油及び整備は当該他国の武力行使と一体化する行為そのものになるのではないか。安倍内閣の認識が独断と偏見ではなく、当該他国の武力行使と一体化はしないと考える場合は、その理由を具体的に示されたい。 三 政府は、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備が他国の武力行使と一体化しない理由の一つとして、「関係の密接性については、自衛隊は他国の軍隊の指揮命令を受けてそれに組み込まれるというものではなく、あくまでも我が国の法令に従い自らの判断で活動するものである」としているが、当該他国の戦闘の相手国である外国からすれば、当該他国と自衛隊の指揮命令関係がどのようなものであろうと当該給油及び整備を軍事的な脅威と認識する以上は、当該外国の立場からすれば当該給油及び整備は当該他国の武力行使と一体化する行為そのものになるのではないか。当該他国の武力行使と一体化しないと考える場合は、その理由を具体的に示されたい。 四 政府は、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備が他国の武力行使と一体化しない理由の一つとして、「協力しようとする相手方の活動の現況につきましては、発進に向けた準備中であり、現に戦闘行為を行っているものではない」としているが、自衛隊のある行為が自国に向けた戦闘行為であるか否かを判断するのは当該他国の戦闘の相手国であるのであり、当該相手国からすれば、当該給油及び整備によって戦闘行為を行う航空機が飛来してくる訳であるから、当該外国の立場からすれば当該給油及び整備は当該他国の武力行使と一体化する行為そのものになるのではないか。当該他国の武力行使と一体化しないと考える場合は、その理由を具体的に示されたい。 五 前記一から四について、自衛隊が武器の提供を行う場合は、他国の武力行使との一体化が生じ、憲法に違反することとなるのか。 六 前記一から四について、自衛隊が弾薬の提供を行う場合について、政府はなぜ、他国の武力行使との一体化は生じないとするのか、前記一から四の答弁内容を踏まえつつ政府の見解を示されたい。 右質問する。 |