質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第六五号

日本人配偶者問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年四月六日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日本人配偶者問題に関する質問主意書

 平成二十六年五月のストックホルム合意において、北朝鮮側が調査を実施することとされた、いわゆる日本人配偶者問題について、政府の認識と方針をお伺いします。

一 政府は、終戦直後に約二百万人いた在日朝鮮人のうち、何万人が朝鮮半島に帰還し、何万人が日本に残留したと認識していますか。

二 政府は、在日朝鮮人の北朝鮮への帰還問題について、「在日朝鮮人中北鮮帰還希望者の取扱いに関する件」を昭和三十四年二月十三日に閣議了解していますが、その内容を詳しくお示しください。

三 日本赤十字社と朝鮮民主主義人民共和国赤十字会との協議の結果、昭和三十四年十二月から在日朝鮮人等の北朝鮮への帰還事業が開始されましたが、当該帰還事業はいつまで、何回続きましたか。また、それは日本のどの港から出発し、北朝鮮のどの港に到着したと政府は認識していますか。

四 前記三の帰還事業により、北朝鮮に帰還した在日朝鮮人等は何名だと政府は認識していますか。そのうち、朝鮮半島出身者である夫や父等に随伴して北朝鮮に渡航した妻や子等は何名でしたか。さらにそのうち、いわゆる日本人妻と推定される人(以下「いわゆる日本人配偶者」とする)は何名でしたか、政府の認識をお示し下さい。

五 政府は、いわゆる日本人配偶者の名簿を保持していますか。また、平成二十六年五月のストックホルム合意に基づき、北朝鮮が行ういわゆる日本人配偶者に関する調査のために名簿を提出しましたか。

六 政府は、かねてよりいわゆる日本人配偶者の家族・親族に対するアンケート調査を実施し、家族・親族の要望に応じて、日本赤十字社を通じて北朝鮮側へ安否調査の依頼を行っていました。当該安否調査依頼は、平成二十六年五月のストックホルム合意以降、日朝政府間で直接依頼していると考えられますが、現在の当該安否調査依頼の方法について具体的にお示しください。

七 政府は、平成九年九月二日に「北朝鮮在住の日本人配偶者の故郷訪問の準備・実施について」とする閣議了解を行い、以後三回にわたって、いわゆる日本人配偶者の故郷訪問を行っています。平成二十六年五月のストックホルム合意に基づき、日本から北朝鮮にいわゆる日本人配偶者の故郷訪問の実施を要請したことはありますか、政府の認識をお示しください。

八 安倍首相及び加藤拉致問題担当大臣は、拉致問題は政府の最重要課題であり最優先で取り組んでいると累次にわたり明言しています。拉致問題がいわゆる日本人配偶者問題に優先するという理由を教えて下さい。

  右質問する。