質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第四四号

財務省が交通事故被害者等から六千百六十九億円の返金を求められていることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年三月十九日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   財務省が交通事故被害者等から六千百六十九億円の返金を求められていることに関する質問主意書

 一九九四年及び一九九五年に自動車損害賠償責任再保険特別会計(現・自動車安全特別会計)から一般会計に繰り入れた繰入金の未繰戻し残高六千百六十九億円について、交通事故被害者やその家族が財務省に対して、早く返してほしいと声を上げている。

一 財務省は二〇一八年度予算案で、十五年ぶりに一般会計から自動車安全特別会計に二十三億円を繰り戻すこととした。一方、国土交通省は、繰戻金を基に、被害者保護増進事業等を充実させるため、自動車安全特別会計の自動車事故対策勘定の予算を十一億円上積みすることとしている。引き続き被害者保護増進事業等を充実させる必要性と、六千億円以上もある自動車安全特別会計の未繰戻し残高を考慮すると、二〇一八年度予算程度の繰戻しでは極めて不十分ではないか。

二 自動車安全特別会計の自動車事故対策勘定に設けられた積立金の運用益は、交通事故被害者の療護センターの運営費や委託費などの被害者保護増進事業等の財源に充てられているが、折からの低金利もあって運用益では財源が足りず、積立金を毎年約百億円も取り崩してその財源に充てている。この状況が続くと積立金はあと十数年で底をつく計算だが、財務省はそれまでに繰入金を全額繰り戻すと国民に約束するべきではないか。

三 交通事故被害者が期待している運動機能の回復などの再生医療が実用化される中、そのような再生医療を始めとする最先端医療にかかるコストの増大を考えると、一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しは、より短期間のうちに終えられるべきなのではないか。

  右質問する。