質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第九号

「ジェントリフィケーション」への対策と老朽化した集合住宅からの高齢者の立ち退き問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年二月五日

山本 太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   「ジェントリフィケーション」への対策と老朽化した集合住宅からの高齢者の立ち退き問題に関する質問主意書

 近年、「ジェントリフィケーション」が世界の主要都市で問題になっている。「ジェントリフィケーション」とは、「都市において、比較的低所得者層の居住地域が再開発や文化的活動などによって活性化し、その結果、地価が高騰すること」(「毎日新聞」二〇一五年三月二十五日 奈良版)とされる。地価が上がり、家賃も上がる結果、元々その地域に居住していた貧しい人々が住めなくなって、その地域から追い出されてしまうという問題点も指摘されている。
 また、本年二月一日に放送されたNHKの番組「クローズアップ現代+」では、「高度経済成長期を中心に建設された集合住宅が老朽化し、耐震性などの面から取り壊しが必要になっている」として、老朽化した集合住宅からの立ち退きを迫られる貧困層の高齢者が取り上げられていた。同番組では、このような高齢者の中には、転居先を探しても連帯保証人がいないなどの理由から契約を断られ続ける人もおり、公営住宅への入居も高い倍率に阻まれる、と指摘された。
 以上の点を踏まえて、質問する。

一 政府は、世界の主要都市で問題になっている「ジェントリフィケーション」をどのように認識しているか。

二 政府が「ジェントリフィケーション」を取り組むべき課題だと認識している場合、政府の住宅政策において、同現象にどのような対策を講じるべきであると考えているか、具体的に示されたい。

三 貧困層の高齢者が、従来住んでいた集合住宅が都市再開発政策や老朽化等により取り壊しが必要になったとして、当該集合住宅からの立ち退きを迫られる問題について、政府はどのように認識しているか。

四 政府が考えている「国難」の中に、前記三の問題は含まれているか。

  右質問する。