質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

ストックホルム合意における「日本人に関する全ての問題」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年一月二十二日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   ストックホルム合意における「日本人に関する全ての問題」に関する質問主意書

 政府は、ストックホルム合意に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしていることを繰り返し明らかにしています。ところが、その「日本人に関する全ての問題」が具体的に説明されていないので、ここに質問いたします。

一 政府は「北朝鮮における残留日本人問題(概要)」と題する文書において、「(4)厚生省は、昭和三十五年一月一日現在で、北朝鮮地域に最終消息のある残留日本人の名簿(第一回名簿:百四十名分、第二回名簿:八百七十一名分)を作成し、日本赤十字社を通じて北朝鮮赤十字会に手交し、その安否調査を依頼した」と記述しています。政府は、現時点で北朝鮮における残留日本人は何人生存していると認識していますか。また、その生存者数は、いつ、どこで、誰に、どのようにして確認したのかも明らかにして下さい。

二 平成二十九年十一月十七日付けで私が提出した「「いわゆる日本人配偶者」に関する質問主意書」(第百九十五回国会質問第一六号)に対する答弁(内閣参質一九五第一六号)において、政府は、「昭和三十四年十二月から昭和五十九年七月までの間に実施された北朝鮮への帰還事業において、北朝鮮に渡った日本人の総数は、六千八百三十六人であり、そのうち女性は四千百五十九人であったと把握している」と明らかにしています。
 ところが、昭和五十五年五月七日の衆議院法務委員会において、政府は「日本国籍のまま北朝鮮に渡った方の総数は男女合計で六千六百七十一名、そのうち女性は四千八十二名」であったとしています。
 平成二十九年十一月と昭和五十五年の答弁で、北朝鮮に渡った日本人の数に相違が生まれた原因を明らかにして下さい。

三 平成二十八年十月付けの外務省北東アジア課による「北朝鮮における日本人遺骨問題(概要)」と題する文書には、残存遺骨の概数は二万一千六百柱とあります。この概数は、平成二十六年五月のいわゆるストックホルム合意以降、北朝鮮側に確認したものなのですか。また、この概数は、いつの時点でのものなのか、どのような方法で確認したのかも明らかにして下さい。

四 政府は平成三十年一月一日現在における「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」の総数は何人と認識していますか。また、男女別ではそれぞれ何人かもお示し下さい。
 政府は、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」の名簿を北朝鮮側に渡して確認を依頼したことはありますか。また、この行方不明者の数に変動があった場合、北朝鮮側に連絡しているのですか。

五 平成二十九年三月十日付けで中山恭子参議院議員が提出した「政府の拉致被害者救出に向けた施策に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第五〇号)に対する答弁(内閣参質一九三第五〇号)の「一及び二について」において、政府は「安倍内閣としては、北朝鮮による拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、政府の最重要課題の一つと位置付け、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現等に向けて最優先で取り組んでいるところである」としています。
 政府はこの答弁において、拉致問題は北朝鮮による核・ミサイル問題よりも最優先で取り組むべき課題だと言っているのですか。また、北朝鮮による拉致、核、ミサイルといった諸懸案の中で、現時点で最優先に取り組むべき課題はどれだと認識していますか。

  右質問する。